研究課題/領域番号 |
06660220
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
梶田 煕 京都府立大学, 農学部, 教授 (90046467)
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研究分担者 |
矢野 浩之 京都府立大学, 農学部, 講師 (80192392)
今村 祐嗣 京都大学, 木質科学研究所, 助教授 (70151686)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | パーティクルボード / フェノール樹脂 / 樹脂含浸処理 / 寸法安定化 / 配向性ボード / 耐朽性 / 耐蟻性 |
研究概要 |
フェノールとホルムアルデヒドのモル比を1.5〜3として、温度と時間を変えて反応させ、数平均分子量(Mn)および分子量分布、並びにpHの異なる18種類のレゾールタイプの水溶性フェノール樹脂を合成した。まず、スギ間伐材から木口試験片を作成し、各種濃度の樹脂溶液に浸せきして含脂率の異なる樹脂処理試験片を調整した。一方、現有のDSCで各種樹脂の硬化挙動について、またボード製造時のマット内部の温度経過を測定することにより樹脂硬化過程について明らかにした。 樹脂処理木材の寸法安定性について検討した結果、Mnが約400以下の樹脂の場合、重量増加率(WPG)30%で抗膨潤能(ASE)は約70%に達するが、Mnが600に増大するとASEは大きく低下して約40%となること、また、Mnが400では、pHが大きくなるとASEは低下し、WPGが15%以上になると落込みが生じてASEが低下する傾向があることなどが明らかとなった。 さらにMnが約400程度の樹脂と約1000の樹脂を混合したものをパーティクルに添加した後ボードを製造し、その材質について検討した結果、ボードの強度的性質や寸法安定性が改善されるとともに、耐朽性、耐蟻性が付与されることが明らかになった。寸法安定性や耐朽性、耐蟻性の発現については、細胞壁の内部構造への樹脂の物理的沈着が影響していると示唆されるが、樹脂のタイプや分子量の違いによる沈着個所の相違などについて明らかにするべく現在検討中であり、成果が得られ次第公表する予定である。なお、この混合樹脂のパーティクルへの添加方法は、現在ボード製造に用いられている接着剤塗布装置をそのまま用いて一工程での処理が可能であり、実用化し易い特徴を有している。この他、ボードの強度向上を図ることを目的とした配向性ボードの製造方法およびフーリエ変換画像処理によるパーティクルの配向程度を評価する新しい方法を開発した。
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