(1)木製車いすと従来の車いすとのSD法による比較イメージ調査を、学生50名を対象に実行し、明確なイメージの違いを得た。アンケート項目の選択はほぼ満足行くものであることが判明した。木製車いすは温かさ、優しさに大きな評価が見られた。それをもとに年令幅を持たせた木製車いすのイメージ評価を行うために、あらたに車いすを製作し、プレハブメーカーの生涯住宅モデルハウスでの使用を開始した。訪れる不特定多数の人からアンケートデータの収集を始めた。 (2)木材の熱特性が実際の車いす使用上でどの様に表れるか赤外線熱画像装置による温度計測の実験を行った。人が車いすに着座した安定状態から車いすから離れた直後からの時間経過による金属性車いすと木製車いすの温度分布変化の比較実験を行いその特性を分析した。その結果、木質環境が保温性の点で明らかな優位性が表れた。 (3)子供用車いすのハンドリムの木製化を行った。子どもの療育センターで使用させる準備を進めた。対象は2〜3人を考えている。 (4)プレハブメーカーの生涯住宅に関する研究施設で、木製車いすの仕様と住宅内の各種装置、設備との使用性、適合性に関する使用検討と、車いす本体の性能の評価を行った。その結果、適合性においても、性能的にも木製車いすの設計計画通りの利点が見られた。またインテリアの様々な場で、車いすは木質環境性と機能性優れ、生涯住宅で欠かせないものとなる感触を得た。
|