従来処理速度の制約からハードウェアで行っていたエコー積分処理をソフトウェア化して融通性を増すために、計量魚群探知機の量子化データをイーサーネットインターフェースを介してワークステーションへ転送した。そしてその高詳細ディスプレイ上への高分解能カラーエコーグラムの表示を実現した。さらにそのエコーグラムをマウスとキ-パッドで会話的かつグラフィカルに選別しながら、エコー積分処理や魚数換算を行うソフトウェアを作成中である。このソフトウェアにより、再積分処理やターゲットストレングス等のパラメータの事後入力が容易に出来るようになり、結果の信頼性が向上する事になる。 現在使われている計量魚群探知機が最も不得手としているのは底魚の調査である。計量魚群探知機を用いた底魚調査の問題点として、海底検出の不安定さと測定不能域(デッドゾーン)の存在があげられる。従来行われている海底検出法はエコーレベルによるものであり、これは突然の海底の隆起や濃密魚群の出現に対して不安定であるため、より信頼性の高い海底判別アルゴリズムの開発を行った。また魚群探知機において探知の死角となる海底直上のデッドゾーンによる誤差およびその補正法の理論的解析を行った。現在それらのソフトウェア化を行っている。 今後はTS分布、周波数比較、信号の統計的特性およびエコーグラフの影像的特徴から魚種判別のための類別ウィンドウの表示や資源量マップの表示が容易にでき船上においてその評価が可能になるような総合的データ解析ソフトウェアに発展させる。
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