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1995 年度 実績報告書

水産資源管理におよぼす遊漁の影響

研究課題

研究課題/領域番号 06660227
研究機関東京大学

研究代表者

清水 誠  東京大学, 農学部, 教授 (00011883)

キーワード水産資源管理 / 遊漁 / 釣り / 東京湾
研究概要

目的 近年盛んな釣りによる漁獲の実態を把握して、漁業による漁獲量と比較し、資源管理におよぼす遊漁の影響を評価する方法を検討する。
方法 東京湾を主な対象水域とし、都県および横浜市漁協柴支所の漁獲統計を整理し、また、湾内で試験底引きを行って、主要種の資源状況を知る。一方、釣りについて、出漁人数、平均釣り数等を既存の資料および調査によって明らかにし、種ごとの釣獲数を知る。種別に比較し、その影響を検討し、資源管理への影響について考察する。
結果 1都2県の水産統計によれば、東京湾(横浜市-富津市)の総漁獲量は1980年代以降も漸減傾向が続き、ピーク時のほぼ1/4程度となっている。アサリが最も多いが、魚類ではマアナゴ、マイワシ、カレイ類(主にマコガレイ)、コノシロ、スズキなどが多い。水産統計では数種をまとめてあるものが多く、個々の種の状況は分かりにくいが、横浜漁協柴支所の水揚げ記録を整理した結果によると、多くの種で80年代終わりから90年代初めは減少傾向を見せ、ごく最近やや上昇傾向を示すものも見られる。
東京湾遊漁船業協同組合の船利用客数調査結果を用いて出漁人数を推定し、また、公表された記録を基に種別の月別平均釣り尾数をまとめ、年別の種別総釣獲漁を推定した。記録の十分得られない種もあるが、ほぼ5年間毎月の記録の得られたマアジを例に挙げると、東京湾の総釣獲漁は少ない年で140t、多い年では600tを超え、1都2県の漁獲量に比べ非常に大きい。このように種によっては漁業の漁獲量を超え、釣りの漁獲を無視しては資源管理が成立しないことが明らかになった。今後、釣獲量の統計の整備、それを得る方法を確立する必要がある。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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