本研究は、放流魚を釣獲から保護するために、釣られにくい個体の脳髄RNAを他個体に注射して釣られにくい個体をつくることが目的である。 1群の魚につき連続3回の釣獲試験をし、最初に釣られた後連続して2回に釣られなかった個体を釣り針を経験して釣られにくくなった個体とした。この釣られにくくなった個体の脳からRNAを抽出して釣りを無経験な群の個体に注射した後、釣獲試験によってRNA注射の効果を対象群と比較した。 宮崎県小林市の養魚場でニジマスを用いた5試行の実験を行った。最初の3試行ではRNA抽出量の不足と水槽馴致の失敗によってRNA注射の効果を判定できなかった。その後の2回の試行では、学習行動の転移があったと判断され得る明瞭な釣獲率の低下があった。現在、成功例の蓄積のための実験を継続している。
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