• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

サケ科魚類の成長ホルモンとビテロゲニンに関する免疫生化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06660253
研究機関北海道大学

研究代表者

原 彰彦  北海道大学, 水産学部, 教授 (40091483)

キーワードサケ科魚類 / 成長ホルモン / ビテロゲニン / 酵素免疫測定法
研究概要

一般に魚類において,ある年齢またはある体長に達するまで成熟が起きないことから,成長と成熟には関連があると考えられている。成長には成長ホルモン(GH)が強く関わり,また雌魚の成熟には雌性ホルモンが深く関わっている。この雌性ホルモンの作用のもと肝臓で雌魚の成熟指標であるビテロゲニン(VTG)が合成される。近年GHは成熟にも関わっていることが示唆され,本研究ではGHとVTGの動態を詳細に観察し、成長と成熟を蛋白レベルで解明する手がかりを得ることを目的とした。
GHとVTGの周年変動を観察するためサクラマスを用いて,1994年12月より1995年9月の採卵時までの定期的に体長,体重測定ならびに採血を行った。また,サクラマスでGHと雌性ホルモンの単独または複合投与によるVTG誘導実験を行い,GHの卵黄形成への関与を検討した。投与は1回行い,10日後に採血を行った。血中GH量は前年度確立した酵素免疫測定法(ELISA法)により,血中VTG量はマンシーニ法またはELISA法を用いて測定した。
サクラマス血中GH量の周年変動を測定した結果,12月から4月までは,約30ng/mlであったが5月に約2倍量まで増加し,6月以降産卵期まで再び約30ng/mlを維持した。5月から6月にかけて急激な体長の伸張および体重の増加が観察され,その後変動しなかった。血中VTG量は5月の血中GH量増加後,顕著に増加し始め8月に最大値を示した。VTG誘導実験で血中VTG量を測定した結果,雌性ホルモンとGHを複合投与した群が最も高値を示した。これらのことから,GHが成長促進作用だけでなく,成熟開始のシグナル的な役割も果たしている可能性が示唆され,成長停止後も血中GH量が成長期と変わらぬことから,成長停止後のGHは,VTG分泌を促すことが推察された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Hiromi OKUMURA: "Development of a sensitive sandwich enzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)for vitellogenin in the Japanese eel,Anguilla japonica." Fisheries Science. 61. 283-289 (1995)

  • [文献書誌] 小杉 玲: "マダイ成長ホルモンのラジオイムノアッセイ." 日水誌. 61. 518-524 (1995)

  • [文献書誌] Naoshi HIRAMATSU: "Relationship between vitellogenin and its related egg yolk proteins in Sakhalin taimen(Hucho perryi).(in press)" Comp.Biochem.Physiol.paot B. (1996)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi