研究概要 |
研究初年度にあたる平成6年度は,1)大規模水田作経営を対象にした実態調査,2)パーソナルコンピュータ利用による経営管理システムの適応性検討の2課題に即して研究を進めた。その概要は以下の通りである。 1.大規模水田作経営を対象にした実態調査 北陸・石川県:個別経営3戸(経営耕地面積29ha,18ha,17ha) 中国・鳥取県:個別経営1戸(同27ha),地域営農集団1団体(構成員76戸,水田面積68ha) これらを対象に,水田作の経営管理全般に関わる実態調査を実施した。このうち,個別経営2戸と地域営農集団からは,パソコンによる経営管理システムの適応性検討のための詳細な営農データの提供を受けた。 2.パソナルコンピュータによる経営管理システムの適応性検討 研究代表者が,これまで開発を手がけてきた水田作の経営管理用ソフトウェアについて,とくに,農地及び栽培管理のための「一筆圃場管理システム」,財務管理のための「経営分析システム」の二つに重点を置いて適応性検討を行い,システムの改良作業を進めた。 「一筆圃場管理システム」では,圃場図を管理するマッピングシステムの機能向上をはかった。そこでは,縮尺や方位の異なる地図を連結し,1枚の大図面として利用できるように改善したことにより,大規模水田作経営が耕作する広範囲の圃場について,ディスブレイ上で連続的に情報処理できるようになった。 「経営分析システム」では,労作的な家族経営の段階から法人化によって展開をとげた企業的経営まで,発展段階に応じた経営分析ができるよう,収益性分析や生産費分析,損益分岐点分析等の各手法について,システムの改良を行った。
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