研究概要 |
研究期間2年の最終年にあたる平成7年度は,下記の3課題に即して研究を進めた。 1.大規模水田作経営を対象にした実態調査 北陸と中国地域から抽出した大規模水田作経営について,前年に引き続き経営管理全般に関する実態調査を実施した。このうち,個別経営2戸,地域営農集団1団体からは,パソコンによる経営管理システムの適応性検討のための詳細な営農データの提供を受けた。 2.水田作経営の展開に対応した経営分析手法の開発 家族経営から企業的経営への展開に重点をおき,上記1.の経営実態調査の結果に基づいて,それぞれの段階に適合した経営分析の手法を整理した。 3.パーソナルコンピュータによる経営管理システムの現地適応性の検討 研究代表者がこれまで開発を手がけ,初年度に改良を加えた二つの水田作の経営管理用ソフトウェアについて,現地適応性試験を実施し,引き続いてシステムの改良に取り組んだ。 「農業経営分析システム」は,水田作経営の財務管理への適応を目的とする。今年度は,上記2.での検討結果をふまえて,家族経営と企業的経営の両者の利用が自由に選択できるよう,収益性分析,生産費分析,安全性分析の各手法について,システムの改良を行った。 「一筆圃場管理システム」は,水田作経営の農地及び栽培・作業管理への適用を目的とする。今年度は,前年に開発したマッピングシステムと連動する圃場データベースの構築と利用について,システムの改良を行った。 なお,パソコン用に開発したこれらのソフトウェアは,農学部公開講座を通じて一般向けに紹介し,農家及びその指導機関に対して利用の提供を開始している。
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