1.ハウス内気象データと土壌水分動態のデータ収集 高冷地農業試験場内のホウレンソウを栽培する雨除けハウス内で、気象データ(気温、湿度、日射量、風速など)を測定し、これらの気象データから計算されるペンマンの蒸発散位とハウス内で測定したパン蒸発量との比較・再現性の検討を行った。また、灌水量と蒸発散量の関係から、ハウス内の土壌水分動態の特徴を明らかにした。調査期間は平成6年5月から11月の7ケ月間である。 2.マルチングボードによる土壌面蒸発抑制効果試験 圃場面に面積の異なる(直径60cmと100cmの円形)マルチングボードを設定し、土壌水分の乾燥過程を裸地と比較を行った。マルチング面積の違いが、根群域に相当する土層の水分保持効果に大きく影響し、それぞれの試験区の乾燥過程における土壌水分動態に明瞭な特徴が確認された。実験期間は平成6年8月から9月の2ケ月間である。 3.作物係数の測定 現在、岐阜大農場のガラス温室内で、ポットによる栽培実験を行う予定である。ハウス内の気象データからペンマンの蒸発散位を計算し、ポット重量の変化から作物の消費水量を求め、作物係数の生育時期・時間的変化を精測し、特に灌水開始点が作物係数に与える影響を検討する。
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