研究課題/領域番号 |
06660306
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大坪 政美 九州大学, 農学部, 助教授 (80112316)
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研究分担者 |
池田 元輝 九州大学, 農学部, 助教授 (00038283)
筑柴 二郎 九州大学, 生物環境調節研究センター, 助教授 (00127458)
高山 昌照 九州大学, 農学部, 教授 (60038312)
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キーワード | 水田土壌 / 窒素の除去 / 水稲生育 / 浸透水 / 循環 |
研究概要 |
水田に窒素の浄化能力があることは、これまでのほ場レベルでの研究で明らかになってきた。しかし、水田における窒素除去は種々の土壌条件や水利条件が複雑に絡み合っており、浸透水が土壌中を移動するときの窒素除去機構にはまだ不明な点が多い。本研究では、様々な条件下でポット試験を行い、窒素除去特性を調査し以下のような知見を得た。 水田土壌は明らかに高い窒素除去能力を発揮しており、その除去機構は土粒子による吸着、水稲による吸収が大部分を占め、ほとんど硝化は関与していない。土粒子による吸着は、窒素濃度による制限を受けるため、ある限界を超えると吸着は起こりにくくなり、次第に窒素の除去効率は低下する。アンモニア態窒素の流出濃度は初期の段階では理論値より高めの値を示し、時間の経過により理論値より低めの値を示す。これは、団粒の存在により団粒内に侵入しないアンモニア態窒素が早い段階で流出し、団粒内に侵入した窒素は、時間の遅れを伴い吸着されるためだと推測される。土壌の吸着係数は一定であるにも関わらず、流入負荷があると初期において低い吸着係数のごとく振る舞い、ある時間を境に高い吸着係数のごとく振る舞う。
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