河川や海浜の流入赤土(国頭マージ´)は切土された法面・斜面の崩壊および畑面侵食によって生産されたものである。発生源対策に役立てるために、崩壊発生と土質強度の関係、有機質資材の侵食抑制効果について実験研究を行い、以下の結果を得た。 1.崩壊の土質強度と安定解析 ピーク強度は、地すべり性崩壊の不攪乱れき層試料が含有微小レキによりかなりのばらつきを示し(c´_f=3.0kPa〜16.1kPa・φ´_f=28.5°〜43.5°)、完全軟化強度は、すべての試料においてc´_<sf>=0kPa〜7.9kPa・φ´_<sf>=35.0°〜40.0°の範囲に納まった。残留強度は、粘土鉱物(バ-ミキュライト)または高い粘土量を有する試料において低めとなり(c_r=0kPa・φ_r=16.5°〜17.9°)、ピークから残留への強度低下が小さく、石英が卓越している試料において高めとなり(c_r=0kPa・φ_r=26.5°〜31.0°)、高いピーク強度と微小レキを有する試料においてはかなりのばらつきを示した(c_r=0kPa・φ_r=19.8°〜33.3°)。 真喜屋地すべり崩壊では、発生素因として地質弱面の関与が考えられるので、弱面強度である残留強度とピーク強度の同時動員を想定し、安定解析を行った。崩壊発生時の地下水はΣU=5.09(tf/m)〜ΣU=18.38(tf/m)、残留係数はR=0.57〜0.43となり、すべり面の平均強度は1.3kPa≦c^^-≦1.7kPa、28.3°≦φ^^-≦30.7°となった。 2.有機質資材の侵食抑制効果 赤土に対する有機質資材の侵食抑制効果について人工降雨試験を行った。圃場容水量状態にした供試土において、流出土砂量は木炭土、有機土、チップ土および原土の順となり、10%木炭土において原土よりおよそ70%も侵食抑制効果が示された。
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