1.成熟期における特性調査 (1) 成熟期における樹体の繁茂状況は、ラビットアイ系(以下、ラ系)がハイブッシュ系(以下、ハイ系)品種より、樹体が大きかった。ティ フブルーは、樹高276cm.見かけの容積11.3m^3と最も大きな値を示した。 (2) 収量は、ラ系が比較的高く、ホームベルでは19.6kg/株であった。 (3) 収穫時期は、ハイ系が6月下〜7月末、ラ系が7月下〜10月上旬であった。すなわちハイ系の熟期は集中するが、ラ系は2か月以上にもわたり、摘み取り作業上から考えハイ系が好ましい傾向を示した。 2.果実の力学的特性調査 (1) 成熟果の大きさは、ダロ-(ハイ系)が最も大きく、見かけの体積1.8cm^3、重量2.6gであった。他の品種は、体積0.6〜1.3cm^3、重量0.9〜1.7gと、ラ系、ハイ系ともに顕著な差は無かった。 (2) 形状は、L/D値0.7〜0.9と各品種ともに偏円形を示し、品種間に有意差は認められなかった。 (3) 引っ張り抵抗力は、ホームベル(146g)、ウッダード(133g)が高い値を示し、保持力が大きかった。ダロ-は最も値が小さく、落下しやすい傾向を示した。 (4) 振動発生・ふるい落とし性能測定器を試作した。 (5) 上記振動ふるい落とし機による機械収穫の可能性は得られたが、適正な振動数、振幅等については、次年度詳細に継続調査する。 3.収穫作業の現況調査 (1) 手摘み収穫作業能率は、1.5〜2.1秒/gであり、品種間に顕著な差は認められなかった。 (2) 着果位置別の手摘み収穫作業姿勢は、着果位置の低いほど、前傾姿勢が強く、立位姿勢が見られるのは、100cm以上の着果位置であった。 (3) 150cm以上の着果位置では、身長160cmの作業者の場合、後へ反り返る姿勢が認められ、100〜150cmが適切な着果位置と考えられた。
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