研究概要 |
本研究は、ブルーベリ-栽培の収穫作業において、作業方法の改善をはかり、収穫作業単純化の方策について探究しようと実施した。 1)成熟期における茎葉の繁茂状況は、ラビットアイ系品種が枝の伸張性、開帳性が大きく、収量も多かった。中でも‘ティフブルー'は276cmと著しく高く、手採り収穫にあって、作業の困難な場合も起こりうる。果実の着果位置について、樹体中心部から45cmの範囲に60%以上の着果がみられ、樹体周辺部の着果は少なかった。高さについては、地表面上30〜150cmに89%が着果していた。 2)果実の形状は、偏平な球状を呈し、果実重1.0g、仮体積0.8cm^3程度であった。なお、果実の色調は、濃い青紫色を呈していた。果実の保持力は、熟度が進むにつれて低下した。成熟果の引張り抵抗力は、‘ホームベル'、‘ウッダード'が133〜146gと最も高い値を示し、‘ダロ-'、‘ノースランド'が47〜49gと低かった。 3)成熟果が青紫色を呈し、茎葉との見分けが容易で、保持力も小さいことから,手採り収穫作業において摘み採りも容易な軽作業と考えられた。手採り収穫作業姿勢は、着果位置との関係が大きく、適正作業域から考え、地表面上100〜150cmの着果が好ましいと思われた。 4)果実の枝からの離脱法としては、保持力が小さいことから振動によるふるい落とし法が好ましいと考えられた。 5)果実ふるい落とし収穫における振動の大きさは、振幅60mm×振動数5.5〜6.0cpsが適していると判明した。 6)実験の結果を参考として、「ブルーベリ-採果機」を開発し、収穫機の性能については今後の検討課題とした。
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