「豆類の貯蔵・加工に関する基礎的研究」という課題で、豆類の乾燥特性、乾燥計算や貯蔵に際し最も重要な物性である平衡含水率、乾燥やその他の加工における熱操作を行う上で必須の熱物性、加工する際の基礎的性質である吸水特性について測定を行った。 これらの測定において、薄層豆の乾燥特性については、小豆に関してはTrans.of the ASAE39(2)に掲載予定である。その他大豆、黒大豆、菜豆(大正金時、福白金時、大手亡、姫手亡、虎豆)について測定済みあるいは継続中である。 豆類の平衡含水率の測定では、従来までの静的方法と異なる、全く新しい方法で小豆について測定して極めて再現性の高いデータが得られ、かつまた、測定期間を大幅に短縮できた。今後、さらに他の豆についてもこの方法により測定し、検討する予定である。 豆類の熱物性の測定については、非定常プローブ法により測定し、熱伝導方程式の近似解析解に非線形最小二乗法を利用して当てはめ、豆(小豆、大豆、手亡)の有効熱伝導率、有効温度伝導率を同時に算出した。この結果を利用して比熱も算出することができた。 豆類の吸水特性および体積変化については、まず、拡散理論を利用して各浸漬温度における吸水時の豆の含水率の変化の予測を行う。ついで、その予測される含水率における密度の測定結果を利用して、吸水時の豆の体積変化を調べた。
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