研究課題/領域番号 |
06660322
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
今 久 千葉大学, 園芸学部, 教授 (60153706)
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研究分担者 |
松岡 延浩 千葉大学, 園芸学部, 講師 (80212215)
中山 敬一 千葉大学, 園芸学部, 教授 (90009697)
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キーワード | 群落微気象 / 緑地気象 / 植被体温 / 植物群落温度 / 群落貯熱量 / 植被下地温 / 植被熱フラックス |
研究概要 |
この研究の目的は、群落上と地中への熱フラックスから群落の貯熱量あるいは群落植物体温を推定することである。地中熱フラックスについては純放射量等に比べ、値が小さいのであまい注意が払われてこなかった。しかし、列状に作物が植えられた畑では、位置による地中熱フラックスのバラツキが非常に大きく、一地点での測定値を地中熱フラックスの代表値として使うには問題があると考えられる。今年度は群落全体の熱収支に係わる予備実験と共に、地中熱フラックスの詳細の観測を行った。実験は畝の向きが南北方向と東西方向になるように2つの畑を設けた。地温の測定は畝間2カ所、株の間、根の位置の計4カ所で、それぞれ2、5、10、20cmの深さで熱電対を使って行われた。6月22日の観測から結果は次のようにまとめられる。地中熱フラックスの時間変化は測定位置によって特徴的な変化をする。南北畝の畝間では南中時に地中熱フラックスの大きなピークが現れ、株間では午前と午後に2つのピークが現れる。根の位置では全体に小さい。4地点の平均は1つの山形の日変化を示す。東西畝では、測定位置により地中熱フラックスのピークが現れる時間はずれるが、南北畝ほど顕著な差は出ない。南北畝と東西畝の平均地中熱フラックスを比較すると、南北畝の方が少ない。快晴の日、南北畝の畝間中央で地中熱フラックスを測定した場合、4地点の平均より50W/m2以上大きくなる。畝間中央で測定した場合、地中熱フラックスはつねに過大評価される傾向にあり、群落の熱収支解析において注意を要する。列状群落下のどの位置で地中熱フラックスを測定するのが適切か、現在は提案できないが、次年度の観測で明らかにしたい。群落上の熱フラックスと地中熱フラックスから群落の貯熱量、植物体温を推定できる可能性がある。次年度は、それらの結果を葉面熱収支解析から得られる葉温と比較する予定である。
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