植物のマクロな形状が形成される一般的な法則について、異種間や変種間の分枝の法則性が厳密にはどのように異なるかを定量的に評価するため、さまざまな植物での形状を含めた成長を測定し植物成長モデルを作成した。 本年度は、ダイズを対象作物としてその構造について測定を行い、植物の形状と品種、環境条件との関係についてモデル化を行った。測定では、品種、定植時期の異なる6区のダイズについて、各区約50のサンプルを取り、すべての節間長、節数、分枝の有無の測定を行ったこの膨大な測定結果から、さまざまな確率分布をとり、これを元に形状のモデル化を行い、各品種、定植時期の差が形状に及ぼす影響を定量的に明らかにすることができた。ここで用いた手法は、ダイズ以外の作物についても有効であると考えられる。 葉の形状についてもダイズのさまざまな品種の形状を分析し、形状モデルを作成した。軸(茎、枝)のモデルに葉のモデルを付加し、成長モデルの可視化を行い、実際のダイズに近い形状のポリゴンモデルを得ることができた。 ポリゴンモデルを使用した、群落内の光環境の計算手法について検討したが、レイトレーシングなどの、精度の高い光量計算手法は計算量が膨大で、群落内の光環境への応用が難しいことがわかった。 以上のように測定、モデル化、形状ポリゴンの生成、モデルの可視化まで、ほぼ予定通りの結果が得られた。
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