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1995 年度 実績報告書

放牧家畜の生理,生態現象のポリグラフィー測定法の開発と放牧試験

研究課題

研究課題/領域番号 06660336
研究機関信州大学

研究代表者

松井 寛二  信州大学, 農学部, 助教授 (50126166)

キーワード放牧生態 / 牛 / 歩行距離 / 暑熱ストレス / 飲水行動 / 自動計測
研究概要

家畜の心拍数、呼吸数、直腸温、皮膚温などの生理諸元と、顎運動回数、顎運動休止回数、姿勢、歩数,飲水行動などの行動情報を同時記録し、放牧生態を総合的に把握するデータロガシステムを開発し、夏季暑熱時の放牧生態を調査した。
歩数あるいは歩行距離は家畜の生産性を左右する重要なパラメーターの1つである。ヒト用の万歩計(pedometer)を牛の脚に取り付け、牛の歩数を連続記録する家畜装着用のデータロガを考案し、歩行距離を推定する方法を検討した。1分間当たりの歩数総数を最長3週間連続記録できた。狭い放牧地では放牧地を区画に区分し、家畜の位置を連続してプロットして、また広い放牧地では、家畜の後を観察者が歩いて、移動距離のキャリブレーション(ロガ値1回当たりの家畜の移動距離)を行った。
飲水行動は採食量や体温維持に影響を及ぼす重要な行動である.自家製のセンサーを鼻環先端(あるいは下顎部)固定し、24時間の飲水行動を自動記録する装置を開発した。
高冷地である八ヶ岳の牧場で放牧行動の季節変化を調査したところ、食草、反芻行動の出現パターンは春、夏、秋ともほぼ同様の傾向が見られ、食草時間は3季ともほぼ等しく、反芻時間は春、秋に比べて夏季で増加した。1日当たりの移動距離は夏季に比べて、秋でやや増加した。この原因として、秋季の草量の減少が考えられた。この結果は以前報告した茨城県(平地、温暖地帯)での成績と著しく相違しており、高冷地の夏季放牧では暑熱ストレスの影響が少ないことが放牧生態から実証できた。温暖地での夏季の家畜増体低下の原因の一端が把握できた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 松井寛二: "乳牛の反芻行動,特に顎運動の月齢差について" 日畜会報. 66. 72-78 (1995)

  • [文献書誌] Kanji Matsui: "Polygraphic recordings of body temperature, heart rate, respiratory rate and grazing and rumination behavior of cattle by an ambulatory data-logger methods." Anim. Sci. Technol. (Jpn). 66. 114-121 (1995)

  • [文献書誌] Kanji Matsui: "Jaw movements during grazing and rumination of a Holstein cow grazed on pasture in hot summer-a comparison between late July and middle September." Grassland Science. 41. 280-286 (1996)

  • [文献書誌] 松井寛二: "放牧家畜の生理生態情報の自動記録法" 日本畜産学会北陸支部会報. 71. 7-13 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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