若齢メンヨウおよびヤギの肋骨成長盤から軟骨細胞を単離し、in vitroで軟骨細胞特有の形態を示すことを確認した。ついで、10^4個の未分化な細胞をディフ-ジョンチェンバーに封入し、通常飼育を行っている3頭の若齢メンヨウの筋肉内に無菌的に移植し、10、20、30、45、60日間培養した。培養後にチェンバーを回収し、チェンバー内の細胞の形態観察および細胞数の計測を行った。その後、細胞をホモジナイズし、DNA、ウロン酸およびIGF-1のmRNAを測定した。細胞数およびDNA含量ともに、20日目には最大値となり、その後変化はしなかった。ウロン酸は30日に急激に増加し、軟骨細胞への分化が生じていることが推察されたが、特有の形態および明らかなメタクロマジ-を示したのは、45日以降であった。ノーザンブロットハイブリダイゼーションによりチェンバー内のIGF-1のmRNAの測定を試みたが、採取できるRNAの量が少ないために、検出できなかった。また、in situハイブリダイゼーション法も試みたが、やはり十分検出できなかった。そこで、現在、RT-PCR法を用いて、検出を試みている。
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