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1994 年度 実績報告書

精子鞭毛の運動調節に関与する細胞内情報伝達機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06660360
研究機関宮崎大学

研究代表者

芦沢 幸二  宮崎大学, 農学部, 助教授 (60128353)

キーワード精子 / 運動性 / カルシウム / カルモデュリン / リン酸化
研究概要

本研究は、鶏精子鞭毛の運動調節機構を明らかにする目的のため、特にCa^<2+>とその関連物質に着目して実験を行ったものである。
まず、精子の運動性に及ぼす細胞内Ca^<2+>の影響を検討した。30℃において、正常精子は70〜85%の運動性を示すのに対して、BAPTAで細胞内Ca^<2+>をキレートすると、運動を停止した。その後、Ca^<2+>を添加すると、精子の運動は直ちに回復した。
次に、精子の運動調節にカルモデュリン(CaM)が関与しているか否かを明らかにするため、精子の運動性に及ぼすCaM阻害剤(W-7,トリフルオペラジン)の影響を追究した30℃における正常精子の運動性は、Ca^<2+>が存在しているのもかかわらず、阻害剤を添加すると急激に低下した。その後、精子を希釈して阻害剤濃度を減少させると、可逆的に回復した。一方、除膜精子の運動性は、いずれの阻害剤の添加でも抑制されなかった。
最後に、精子の運動調節系におけるプロテインホスファターゼの存在とその作用を解明するため、運動性に及ぼすプロテインホスファターゼ阻害剤(カリクリンA、オカダ酸)の影響を検討した。40℃で不動化を起こしている正常精子の運動性は、カリクリンAを添加すると増加し、250nM添加で最高の値(約60%)を示した。しかし、オカダ酸添加による運動促進効果は認められなかった。これに対して除膜精子では、カリクリンAの至適濃度(100nM)の10倍高いオカダ酸を添加すると、精子の運動が開始した。また、40℃においてカリクリンAにより促進された除膜精子の運動性は、1mMのCa^<2+>を添加すると急激に低下した。ところが、その後EGTAでCa^<2+>を除去すると70%にまで回復した。
以上の結果から、Ca^<2+>は鶏精子の運動調節に関与する第1のメッセンジャーであること、その標的物質の一つはCaMであることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Ashizawa,K.et al.: "Regulation of flagellar motility of fowl spermatozoa:evidence for the involvement of intracellular free Ca^<2+> and calmodulin" J.Reprod.Fertil.101. 265-272 (1994)

  • [文献書誌] Ashizawa,K.et al.: "Presence of protein phosphatase type 1 and its involvement in temperature dependent flagellar movement of fowl spermatozoa" FEBS Lett.350. 130-134 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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