研究課題/領域番号 |
06660377
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
小森 成一 岐阜大学, 農学部, 助教授 (70195866)
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研究分担者 |
海野 年弘 岐阜大学, 農学部, 助手 (90252121)
大橋 秀法 岐阜大学, 農学部, 教授 (40001531)
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キーワード | 平滑筋 / ムスカリン受容体 / Caオシレーション / パッチクランプ法 / GTP結合蛋白質 / イノシトール三燐酸 / 細胞内カルシュウムストア / 細胞内カルシュウム放出 |
研究概要 |
単一平滑筋細胞においてムスカリン受容体刺激によって生じる細胞内カルシュウム(Ca)濃度の律動的変動(Caオシレーション)の発現機序を明かにすることを目的とした本研究は、平成6年度に引き続き今年度(7年度)も概ね予定通りに進展した。今年度は、モルモット回腸の単一平滑筋細胞においてパッチクランプ法を用いて記録されるCa感受性イオン電流をCaオシレーションの指標として解析し、オシレーションの頻度と細胞外Caの関係について検討した。また、これと平行して、同回腸の摘出腸管片から化学的に細胞膜に小孔をあけた平滑筋条片(スキンド平滑筋標本)を用いて、Caオシレーションの発現に関与する細胞内Caストアの薬理学的性質についても検討した。得られた結果の概要は次の通りである。 (1)細胞外から流入するCaはCaオシレーションの頻度の調節に重要な役割を演じており、電位依存性Caチャネルとまだ性質が明かになっていないチャネルがCa流入経路として関与している。 (2)流入Caによる頻度調節はCaストアへのCa供給よりもむしろこれとは別の機構を介して生じる可能性が高い。 (3)Caオシレーションに関与するCaストアはイノシトール三燐酸(IP3)誘発Ca放出機構とCa誘発Ca放出機構の両方を持っているが、Caオシレーションの発生中には後者の機構は殆ど作動していない。 以上の結果の中(1)と(2)については現在投稿中であり、(3)については既にEur. J. Pharmacol.に公表した。また、これらの成果は平成6年度の成果と併せて第2回日英合同生理学会シンポジュムの招待講演についても発表した。さらに、今春出版予定のT. B. BoltonとT. Tomita編集の著書「Smooth Muscle Excitation」にも掲載される。
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