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1995 年度 実績報告書

鳥類と哺乳動物の生体時計機構の分子細胞学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06660383
研究機関宮崎大学

研究代表者

村上 昇  宮崎大学, 農学部, 助教授 (80150192)

キーワード生物時計 / メラトニン / 神経培養 / リズム / 松果体
研究概要

1.鳥類の松果体細胞における生物時計とcAMPリズムの関係
鳥類松果体細胞には生物時計が存在し、恒常条件の培養下においても、約24時間周期のリズムを継続する。このリズムは松果体ホルモンであるメラトニンの分泌リズムとして反映される。これまでの研究において、メラトニン分泌リズムに先行して、cAMPのリズムが形成されていること、またcAMPを外性的に投与するとメラトニン分泌が促進されることが見いだされている。今回、このcAMPのリズムが真に、メラトニン分泌リズムを形成しているのかを検討するため、cAMP依存性プロテインキナーゼAを阻止し、メラトニン分泌への影響を調べた。その結果、プロテインキナーゼA特異的阻害薬H8は量依存的にメラトニン分泌を抑制した。一方プロテインキナーゼCの阻害薬カルフォスチンでは抑制効果は見られなかった。以上の結果は、鳥類松果体細胞の生物時計は細胞内に於いて、自らアデニレートサイクラーゼを活性化し、cAMPを合成すること。また、このcAMPはプロテインキナーゼAを介してメラトニンの分泌を誘起することを示唆している。
2、ラットの行動リズムに対するメラトニンの効果
ラットの松果体を除去しても生体リズムには影響が認められないが、外性的にメラトニンを投与すると、生物時計はメラトニンに対し、種々の反応を示す。我々は今回、メラトニンを毎日定刻に投与し、リズムに対する影響、及び、慢性的に投与したときの光に対する同調効果への影響を検討した。まず、恒常条件下で自由継続リズムを示すラットに毎日定刻にメラトニンを投与した。その結果、行動リズムはすべてのラットで、メラトニンの投与時刻に同調した。しかし、恒常明下でリズムの消失したラットではメラトニンによる同調効果は認められなかった。慢性的投与においては、光の条件を急に変化させると、メラトニン投与群では対照群に比較して早く再同調する事が見いだされた。これらの結果は、メラトニンが時差ボケ解消薬として利用できる事を強く示唆するものである。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Nishi,R.: "Circadian Oscillation of 64kDa polypeptyde in the rat suprachiasmatic nucleus" J.Vet.Med.Sci.56(1). 161-163 (1994)

  • [文献書誌] Nasu,T.: "Vascularization of the pineal gland in the crow." J.Vet.Med.Sci.56. 1185-1186 (1994)

  • [文献書誌] Murakami,N.: "Comparison of circadian oscillation of melatonin release in pineal cells of house sparrow,pigeon and Japanese queil,using cell perfusion system." Brain Research. 651. 209-214 (1994)

  • [文献書誌] Akasaka.K.: "Development of regulation of nelatonin release in pineal cells in chick embryo." Brain Research. 692. 283-286 (1995)

  • [文献書誌] Murakami,N.: "Inhibitor of protein synthesis phase-shifts the circadian oscillator and Inhibits the light-induced phase-shifts of the melatonin rhythm in pogean pineal." Brain Research. 693. (1)

  • [文献書誌] Marumoto N: "Effect of daily injections of melatonin on locomotor activity rhythm of rats maintainted under constant bliglot or dim light." Physiology & Behavior. (1996)

  • [文献書誌] 村上 昇: "光と人間の生活ハンドブック" 朝倉書店,佐藤愛子・利島保・編集, 373 (1994)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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