本研究はKupffer細胞のエイコサノイド代謝の特性を理解することである。Kupffer細胞のエイコサノイド産生はホスホリパーゼA_2あるいはホルホリパーゼCを介して産生されるアラキドン酸が基質になる。蛋白キナーゼ(PKC)を活性化するホルボールミリステートアセテート(PMA)の処置はKupffer細胞のzymosan刺激に伴うプロスタグランジンおよびロイコトリエンの産生が有意に増加した。一方、ラットを0.03%Thioacetamideを含む飲料水で飼育すると、処置4週後、Kupffer細胞数は増加した。処置ラットの灌流肝臓でplateletactivating factor刺激によるプロスタグランジン産生は対称群に比し有意に増加した。Kupffer細胞の活性化はthioacetamideによる肝硬変誘発に重要な役割を演ずることを示唆した。
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