研究課題/領域番号 |
06660386
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
澤田 勉 大阪府立大学, 農学部, 教授 (60081600)
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研究分担者 |
玉田 尋通 大阪府立大学, 農学部, 助手 (10155252)
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キーワード | 20α-dihydroprogesterone / goat / estrous cycle / progesterone / Sregesterone metabolism / prostaglandin F2α |
研究概要 |
プロジェステロン(P)から還元異化されて生ずる20α-ダイハイドロプロジェステロン(20α-DHP)は、ラットにおいてその血中濃度の変化や生理的意義が詳しく調べられているが、他の家畜における詳細はほとんど不明である。従って、本年度ではヤギの発情周期中におけるPと20α-DHPの末梢血中濃度の変化、ならびに黄体期のPと20α-DHPの血中濃度におよぼすPGF2αもしくは20α-DHP投与の影響を調べた。その結果、以下のことが判明した。 1)発情周期中のP濃度は発情日は低値を示していたが、発情後急激に上昇し10日目にピークに達した。そしてその後P濃度は高値を持続したが、発情前4日から次回発情にかけて急激に下降した。20α-DHP濃度も発情日は低値を示していたが、発情後次第に上昇し6日目から次回発情前5日まで高値を持続した。そしてその後20α-DHP濃度は発情日にかけて次第に下降した。Pの20α-DHPに対する比は発情前後では1以下であったが、それ以外では1よりも高かった。 2)PGF2αの注射後の血中P濃度は急激に下降したが、20α-DHPの濃度は注射後次第に下降した。Pの20α-DHPに対する比は注射後24時間以降で1以下となった。PGF2αを注射したヤギのうち3頭は48時間後に、2頭は72時間後に発情が回帰した。 3)20α-DHP注射後の血中P濃度は大きな変動がみられなかった。20α-DHPの濃度は、注射後著しく高い値を示したが、48時間後には正常な発情周期の値に戻った。20α-DHPを注射したヤギでは、正常な日数の発情回帰がみられ、特に発情の異常は認められなかった。 これらの結果は、ヤギの発情周期中では、大量の20α-DHPが末梢血中で探知されることを示し、Pは黄体退行期で生物活性のないステロイド、20α-DHPへ異化されるかもしれないことを示唆した。
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