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1994 年度 実績報告書

人及び動物における広東住血線虫症の免疫学的診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 06660401
研究機関岐阜大学

研究代表者

金城 俊夫  岐阜大学, 農学部, 教授 (40045084)

研究分担者 源 宣之  岐阜大学, 農学部, 助教授 (10144007)
キーワード広東住血線虫 / 広東住血線虫の血清診断 / 抗体分布調査 / ネズミの線虫症
研究概要

1.虫体の構成蛋白の解析:各発育期虫体より蛋白を抽出し、SDS-PAGEによる分画を行った。分子量28-220Kdaの範囲で25-30本の蛋白のバンドが確認された。しかしうち数本が対照の犬糸条虫のそれと共通であった。これら各抗原と人工感染ラット血清を用いてウエスタンブロットを行ったところ、分子量56および200Kdaの蛋白と高率に反応した。現在、これら特異性の高い抗原画分の抽出を試みている。
2.免疫学的診断法の開発:抗原には成熟虫体抽出蛋白を、血清としては人工感染ラットの経過血清および自然感染、非感染ドブネズミ血清を用い、ELISAとラッテクス凝集反応(LA)を行った。
(1)ELISA:各種予備試験の結果、蛋白濃度10ug/ml、血清希釈100倍でスクリーニングし、O.D.値0.35以上を陽性と設定した。人工感染ラットでは、3週目から抗体価の上昇があり、6週目でピークに達した。ドブネズミ血清については、溶血血清も多いことから、非特異反応があり、実用に供するのが難しいことがわかった。
(2)LA:予備試験から、ラテックス(粒子径1.053μ)に感作する抗原蛋白濃度を1.78mg/mlとし、マイクロタイタ-法によった。人工感染ラット血清では1週目から経時的に抗体価の上昇が確認され、6週目でピーク(平均3,200倍)に達し、34週目までほぼ同値を持続した。ELISAとLAの間には高い相関(0.83)がみられた。
自然ドブネズミ血清638例についてLAを行ったところ、抗体価の分布が2峰性を示し、400倍以上を陽性とした。その結果、陽性例が163例あり、陽性率25.5%であった。これに対し沖縄県のドブネズミは陽性率53.3%(8/15)と高率で、抗体価も高かった。
本線虫の特異抗原の抽出に関してなお検討を要するが、LAが広東住血線虫の血清学的診断法として有用であることが示唆された。次年度この点を解決したい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 金城俊夫: "名古屋市のドブネズミにおける広東住血線虫の浸淫状況" 岐阜大学農学部研究報告. 58. 101-105 (1993)

  • [文献書誌] Minamoto Nobuyuki: "Linear and conformation-dependent antigenic sites on the nucleoprotein of rabies virus" Microbiology and lmmunology. 38. 449-455 (1994)

  • [文献書誌] Ito Hiroshi: "A unique mutation of glycoprotein gene of the attenuated RCHL strain of rabies virus,a seed virus used for production of animal vaccine in Japan" Microbiology and lmmunology. 38. 479-482 (1994)

  • [文献書誌] Sugiyama Kazuyoshi: "Isolation and characterization of a hantavirus from Rattus norvegicus in a resideential area of Nagoya city,Japan" The Journal of Veterinary Medical Science. 57. 51-54 (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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