研究課題/領域番号 |
06660405
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
柚木 弘之 鹿児島大学, 農学部, 教授 (40230619)
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研究分担者 |
中馬 猛久 鹿児島大学, 農学部, 助手 (90201631)
岡本 嘉六 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (00136847)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | ブロイラー / Clostridium perfringens / 飼料汚染 / 飢餓ストレス / エンテロトキシン / Enterotoxin |
研究概要 |
Clostridium perfringensに起因する鶏の壊死性腸炎は養鶏産業に多大の損耗をもたらし、また、本菌はヒトの食中毒原因菌の一種でもあることから、食鳥肉の安全性向上のため生産段階での浄化が望まれている.本研究では、ブロイラー農場の調査と実験飼育により、絶食ストレスが鶏腸内で本菌の異常増殖を惹き起こす原因となることが明らかになり、また、飼料を汚染しているC.perfringensが重要な保菌要因となっていることを明らかにした.分離菌株のエンテロトキシン産生能を逆受け身ラテックス凝集反応(RPLA)で調べたところ、ブロイラー由来の142株はすべて陰性であったが、配合飼料では171株中1株(0.6%)であった.動物質飼料類では161株中2株(1.2%)、植物質飼料類では114株中8株(7.0%)が陽性となり、原料段階でのC.perfringens汚染は予期に反して後者が高率であった.このことは,自然界でのエンテロトキシン産生株の割合は低いことを示すと同時に、植物質飼料類のエンテロトキシン産生株による汚染は人間界と密接な関わりをもつネズミ等が関与していることを示唆している.これらの産生菌11株の中で、食中毒の原因となり得るRPLA力価が500倍を越えるものが2株あった.エンテロトキシン産生能の検査試薬は高額であることからDNA診断法を検討したところ、上記の結果と同一の成績が得られ、使用したプライマーの特異性が確かめられた.以上の成績から、ブロイラーのC.perfringens保菌をコントロールするには、飼養管理におけるストレスの軽減と飼料衛生の向上が必要であることが明らかになった。
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