ゴキブリの主要アレルゲンの測定法を開発した。ゴキブリアレルゲンは一般家庭の10軒中8軒に認められた。また、ゴキブリアレルゲンに対する感作状況を調べるため、喘息児171名のゴキブリに対するIgE抗体を調べたところ、アレルゲン特異IgE抗体率はクロゴキブリ16%、チャバネゴキブリ9.9%とダニ85%に比べ、低かった。以上のような結果から日本においてゴキブリアレルゲンはダニアレルゲンに比べて、あまり重要なアレルゲンとは言えないことが分かった。 ダニアレルゲンは小児喘息の原因アレルゲンの80%以上を占めると考えられており、喘息の発症、発病の予防にそのアレルゲンの管理は非常に重要な研究分野と思われる。そして基礎的研究として家庭内での個人におけるダニアレルゲン暴露量を調べることは重要と考えられる。通常の生活でどの程度のダニアレルゲンに暴露されているのか実態を調査した。空中ダニアレルゲン暴露濃度29.6から485pg/m^3(平均濃度102/m^3)と各個人においてかなりばらつきがあった。 イヌやネコはペットアレルギー中でも重要なアレルゲン考えられている。また、実験動物としてイヌやネコは飼育されており、実験動物アレルギーとしても注目されている。換気システムが異なる実験動物施設において、空気中のこれらのアレルゲン量を測定し、換気システムにより、どの程度のこれらのアレルゲンに違いがらうかを調査した。今回、換気システムを良くすることにより、実験動物施設内でのイヌやネコのアレルゲン暴露量を減少させることが可能であることがわかった。
|