1、共焦点レーザー顕微鏡によるFS細胞の特異な構造の観察: S-100タンパク質に対する抗体を使用し、FS細胞を蛍光抗体法で染色して共焦点レーザー顕微鏡で観察した。この結果、FS細胞が長い細胞質の突起を伸ばし、近傍のホルモン産生細胞を包み込む特異な構造が3次元的に鮮明に観察された。 2、濾胞星状細胞株(TtT/GF)細胞から分泌される生理活性物質の検索: TtT/GF細胞の培養によって得られたconditioned mediumが下垂体由来の成長ホルモン産生株(MtT/S)の細胞増殖を促すことを明らかにした。しかし、どのような因子が細胞増殖を促すかは明らかでない。一方、TtT/GF細胞とMtT/S細胞を混ぜてヌードマウスに移植したところ、TtT/GF細胞が下垂体のホルモン産生細胞(MtT/S)の腫瘍形成を著しく促進することが明らかになった。これらの結果は、濾胞星状細胞が近傍のホルモン産生細胞の増殖を促す何らかの生理活性物質を分泌していることを示している。この事は濾胞星状細胞の機能を考えるうえで極めて重要であり今後継続して研究したい。 3、FS細胞のモノクローナル抗体の作成: TtT/GF細胞およびブタ下垂体を使用してFS細胞を特異的に染色するモノクローナル抗体の作成が試みられた。現在、未だ、特異抗体の作成には成功していないが、現在その作成に向けて研究を進行している。
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