研究課題/領域番号 |
06670036
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
山科 正平 北里大学, 医学部, 教授 (90013987)
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研究分担者 |
玉木 英明 北里大学, 医学部, 講師 (30155246)
瀬川 彰久 北里大学, 医学部, 講師 (50154638)
酒井 康弘 北里大学, 医学部, 助教授 (00050625)
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キーワード | ゴルジ装置 / 唾液腺 / 選別輸送 / 腺房細胞 / 免疫電顕 |
研究概要 |
本年度は下記の成果を得た。 1.ゴルジ装置の形態形成および形状の安定化機構の分析:Brefeldin A(BFA)及び Okadaic acid(OA)からの回復期におけるゴルジ装置の形態形成過程に対する抗微小管剤の効果を調べた。ゴルジ装置の層板再構成に影響を与えないが、再形成されたゴルジは小型で、細胞内の随所に分散していた。そのためゴルジ層板構造の形成に対する微小管の作用は少なものの、ゴルジ層板を一連のものとして核上部に定置させる上で微小管が機能しているものと結論した。 2.選別輸送機構の発現におけるゴルジ装置の形状との関係の分析:BFAやOAによる層板の崩壊過程、回復過程のゴルジ装置について、ゴルジの膜蛋白であるGF-1、分泌蛋白であるアミラーゼ、ライソソーム蛋白であるカテプシンの分布動態を多重標識免疫電顕法により解析した。これにより、層板が不完全な状態にあるゴルジではゴルジ膜蛋白が分泌顆粒に移行したり、ライソゾーム蛋白が分泌顆粒へ移行するなど選別輸送に大幅な乱れが生じていることが判明した。こうした事実を元に正常な選別輸送機能の発現のためにゴルジ層板構造の存在が必須のものであることを推定した。この研究の過程で高解像力免疫電顕法の新しい手技の開発に成功した。 3.共焦点レーザー顕微鏡によるゴルジ装置の立体構造の解析:上記1.2で行った項目の各段階をレーザー顕微鏡により、ゴルジの立体形状との関連において分析している。本顕微鏡はメーカーのショウルームのものを借用させてもらいながらの研究であったため作業の進行が遅れた。しかし、近日中に学内に設置される予定となったため、今後鋭意進展するものと考えられる。
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