研究課題/領域番号 |
06670052
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
浦野 哲盟 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (50193967)
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研究分担者 |
井原 勇人 浜松医科大学, 医学部, 助手 (00223298)
高田 由美子 浜松医科大学, 医学部, 助手 (90092981)
高田 明和 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80092980)
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キーワード | ウロキナーゼ受容体 / ウロキナーゼ / プラスミノーゲン アクチベータ- / プラスミノーゲン アクチベータ- インヒビター |
研究概要 |
この研究の目的は、腫瘍の増殖及び転移にuPAがそのレセプターやインヒビターとの結合を介してどのように関与しているかを検討することにある。本研究の第1段階として単球系培養細胞 U937 を用いて、ウロキナーゼ受容体(uPAR)の発現調節について蛋白量及びメッセンジャーRNA(mRNA)量で検討した。蛋白量はヒト uPAR ELISA kit で測定し、mRNA量はヒト uPAR full length mRNA (uPARI)及び、alternative splicing で得られる膜結合部位を欠如する短いuPAR mRNA (uPAR II) を各々個別に認識するプローブと共通部分を認識するプローブを作成し、northern blottingにより測定した。 uPAR は U937 細胞破砕分画のみならず、培養上清中にも可溶性uPARとして存在することが確かめられた。ホルボールエステルで24時間刺激すると、細胞表面に存在する uPARは8倍に、また、培養上清中では30倍にそれぞれタンパク量が増加した。また、uPAR mRNA発現量も5.8倍増加した。更にuPARIのみならずuPARIIのmRNA量が増加していることが、特異プローブを用いることにより確認された。従って、可溶性uPARは膜結合性uPARの蛋白分解によって生じるのではなく、別のmRNA(uPAR II)によって発現されているものと考えられた。 可溶性uPARはuPA結合部位を有するため、uPAと膜上のuPAR との結合を競合的に阻害する可能性がある。これにより可溶性uPARは uPAとそのインヒビターによる腫瘍増殖への関与を修飾している可能性が示唆された。
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