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1995 年度 実績報告書

骨格筋収縮におけるミオシンサブフラグメント2の機能に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06670067
研究機関帝京大学

研究代表者

小林 孝和  帝京大学, 医学部, 講師 (00112756)

研究分担者 白川 伊吹  帝京大学, 医学部, 助手 (80236190)
大石 昇  帝京大学, 医学部, 講師 (80176825)
キーワードanti-S2 antibody / hinge region / skeletal muscle / force / stiffness / ATPase activity
研究概要

前年度は,hinge領域に存在する20アミノ酸残基からなるペプチドを合成し、これを抗原とした抗S-2hinge抗体(IgG)の作製に成功した。そこで当初の計画通りこの抗S-2hinge抗体をpapainで処理し早速Fab segmentを調整し、単一グリセリン弛緩筋線維に作用させ、収縮張力とstiffness関係を調べたところ、Fab(3mg/ml)存在下では収縮張力とstiffnessが顕著に抑制することがわかった。しかしその後、実験終了時に抗体処理した単一筋線維をSDSにかけ詳細に調べたところ、本来あるべきミオシンheavy chainのバンドがくずれていることが判明した。おそらくIgGをFabに切断する処理過程で不可欠なpapainが一部残存しており、これがミオシンheavy chainを壊していた可能性があり、Fabを用いて実験する方法は再検討を要することとなった。したがって抗S-2hinge抗体のIgGの効果のみを調べることにした。なお、これまでのS-2全域を抗原とした抗S-2抗体(IgG、3mg/ml)と今回作製した抗S-2hinge抗体(IgG、3mg/ml)はSDSのpattern上は問題ない。結果は以下のようであった。抗S-2hinge抗体(IgG)を1)弛緩筋線維に作用させると収縮張力およびstiffness減少させるがATPase活性は変化させない。しかし収縮張力とstiffnessの減少の程度はこれまで完全抑制していた抗S-2抗体(IgG)と比較して少ない。2)硬直筋線維に作用させると収縮張力およびstiffnessはほとんど減少しない。以上の結果はS-2のhinge領域は収縮特性に大きく関与しているのではなく、S-2の他の領域が関与しているかもしれない。そこでS-1に隣接したS-2の20アミノ残基からなるペプチドを合成し、これを抗原とした抗S-2抗体(IgG)の作製し調べ始めたところ、さらに効果が弱まった。このことから、S-1-S-2接合部とhinge部以外の他の領域か、あるいはS-2全域それ自体が筋収縮に大きく関与しているのかもしれない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] T. Kobayashi, N. Oishi, I. Shirakawa and H. Sugi: "Effect of anti S-2 antibody on force development and ATPase activity in aleletal muscle fibers" Japanese Journal of Physiology. 45. S111 (1995)

  • [文献書誌] T. Kobayashi, N. Oishi, I. Shirakawa, S. Kosuge and H. Sugi: "Effect of anti myosin hinge antibody on contractile characteristics and ATPase activity in glycerinated skeletal muscle fibers" Zoological Science. 12. 110 (1995)

  • [文献書誌] T. Kobayashi and H. Sugi: "Force responses to stretch in glycerinated rabbit psoas muscle fibers after elimination of Ca^<2+> activated and rigor force development with antibody to myosin subfragment-2" Journal of Muscle Research and Cell Motility. 16. 337 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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