研究概要 |
平成6年度は、細菌性内毒素(LPS)による発熱耐性時に脳内のインターロイキン1産生状況が変化している可能性についてin situ hybridization法および免疫組織化学的手法を用いて検討した。主として終板器官(OVLT)でのインターロイキン1mRNAとインターロイキン1分子の発現を検討した。[結果]細菌性内毒素(LPS,4ug/kg)を家兎の静脈内に5日間連日投与すると、LPSによる二相性発熱の二相目が完全に抑制された(発熱耐性)。コントロール家兎の静脈内にLPSを投与すると1時間後にOVLTでインターロイキン1mRNAの発現が観察された(in situ hybridization法)。しかし、発熱耐性家兎にLPSを投与してもインターロイキン1mRNAの発現は認められなかった。コントロール家兎のOVLTでLPS投与後1時間後に観察されるインターロイキン1の産生は発熱耐性家兎では認められなかった(immuno histochemistry)。LPS投与1時間後に観察される脾臓でのインターロイキン1産生については、コントロール家兎と発熱耐性家兎との間に有意の差を認めることができなかった(immunohistochemistry)。[考察]発熱耐性時に観察されるLPS二相性発熱の二相目の抑制は、終板器官(OVLT)でのインターロイキン1産生は消失したために起こったものと推察される。
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