研究課題/領域番号 |
06670134
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
石川 喜一 山形大学, 医学部, 教授 (40018312)
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研究分担者 |
大津 芳 山形大学, 医学部, 助手 (80185305)
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キーワード | アルドラーゼB遺伝子 / 遺伝子発現誘導 / ホルモン協調的作用 / プロモーター活性 / run-on assay / G-free cassette |
研究概要 |
本研究でこれまでに明かとなったことは以下のことである。 (1)高グルコース食投与で見られるラット肝AldB遺伝子の発現誘導はホルモンの協調的作用の結果である。 ラットを絶食後、高グルコース食を投与すると肝AldB遺伝子の転写誘導が起こる。我々は、この場合血中コルチコステロン濃度は変化せず、血中インシュリン値は誘導と平行して上昇し、グルカゴン値は逆比例的に低下することを確かめた。別の解糖系酵素glyceroaldehyde-phosphate dehydrogenase(GAPDH)遺伝子も同様に誘導されたが、面白いことに分泌タンパク質のアルブミン遺伝子は全く誘導されなかった。そこでこれらのホルモンの直接効果が初代培養肝細胞で検討したところインシュリン、デキサメサゾンは促進的に、グルカゴンが抑制的に作用することを確認した。 (2)高グルコース食投与で見られるラット肝AldB遺伝子の発現誘導は転写効率の促進である。 ラット絶食群、高グルコース投与群より肝単離核を調製しrun-on assayで肝AldB遺伝子の転写効率の違いを検討した。その結果、高グルコース食投与で見られるラット肝AldB遺伝子の発現誘導は転写効率の促進であることが証明された。そこで、高グルコース食投与前後のラット肝核抽出液を用いて、-210bpと-92bpのAldB遺伝子5′上流領域をつないだG-free cassetteの転写効率の比較をおこなったところ、-92bpまでが重要であることが明らかとなった。
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