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1995 年度 実績報告書

肝臓におけるアルドラーゼB遺伝子の摂食による転写調節機構

研究課題

研究課題/領域番号 06670134
研究機関山形大学

研究代表者

石川 喜一  山形大学, 医学部, 教授 (40018312)

研究分担者 大津 芳  山形大学, 医学部, 助手 (80185305)
葛巻 丈二朗  山形大学, 医学部, 助教授 (70211208)
キーワードB形アルドラーゼ / 糖質摂取 / 遺伝子発現調節 / インスリン / グルカゴン / 初代肝培養細胞 / ホルモン作用 / シグナル伝達
研究概要

解糖系の酵素で肝特異的に発現するB形アルドラーゼ(AldB)の遺伝子発現は糖質摂取によって大きく誘導された。即ち糖質摂取によってラット肝のAldB mRNAレベルは大きく上昇した。面白いことに、このとき肝特異的分泌タンパク質であるアルブミンの遺伝子発現はほとんど変動しなかった。このAldB遺伝子発現の誘導はAldB遺伝子の転写誘導であるということがrun-on assayによって確かめられた。そしてこの誘導には肝の糖代謝に影響するホルモンの関与が考えられた。そこで誘導時のラット血中ホルモン濃度を測定したところ、インスリン濃度は上昇し、グルカゴン濃度は低下していた。コルチコステロン濃度に大きな変動がなかった。このことから糖質摂取により血中インスリン、グルカゴン濃度が変動し、そのことが肝におけるAldB遺伝子の発現を変動させていることが考えられた。
このことを証明するために、初代培養肝細胞を用いて、これらのホルモンのAldB遺伝子発現に対する直接効果を検討したところ、インスリンはAldB遺伝子発現に対して促進的に、グルカゴンは抑制的に作用することが確認された。糖質摂取による誘導では特にグルカゴンによる抑制が低下することがインスリンによる促進と相まって重要であることが認識された。そこでグルカゴンによる抑制機序について解析した。AldB遺伝子発現に対するグルカゴンの抑制作用は濃度依存的であり、10nM以上で著明に有効であった。また、培養液に100nMグルカゴンを添加すると2〜6時間でAldB mRNAレベルは著明に低下することがわかった。その作用機序を明らかにする目的でforskolinを投与するとグルカゴン同様にAldB遺伝子発現は抑制された。dibutylyl-cAMP投与でも同様であった。そして、このAldB遺伝子発現に対するグルカゴンの抑制作用はA-kinase阻害剤であるH-7によって濃度依存的に減弱した。これらの結果はこの抑制作用がA-kinase→cAMP→CREBを介して系を経るものであることを示していた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Paul.F.Gomez: "Dietary and hormonal regulation of aldolase B gene transcription rat liver" ABB. 314(2). 307-314 (1994)

  • [文献書誌] Kikukatsu Ito: "A novel growth-inducible gene that encodes a protein with a conserved cold-shock domain" Nucl. Acids Res.22. 2036-2041 (1994)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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