研究課題/領域番号 |
06670177
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研究機関 | (財)大阪バイオサイエンス研究所 |
研究代表者 |
坂本 和一 財団法人大阪バイオサイエンス研究所, 第4研究部, 研究員 (90235169)
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研究分担者 |
江指 俊彦 財団法人大阪バイオサイエンス研究所, 第4研究部, 研究員 (40250089)
伊藤 誠二 関西医科大学, 医化学教室, 教授 (80201325)
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キーワード | プロスタグランジンF2α受容体 / 遺伝子発現 / 黄体退縮 |
研究概要 |
性周期のウシ黄体におけるPGF_<2α>受容体のmRNAの発現調節を調べるために、性周期の異なるステージのウシ黄体を用いノーザンハイブリダイゼーション及びin situハイブリダイゼーションを行なったところ、性周期の進行と共に同受容体mRNAの著しい増加がみられ、更に退縮期において極端な減少が観察された。またヒト子宮筋腫における同受容体の発現レベルを検討したところ、筋腫部位においては正常部位に比べ5倍から10倍の発現の増加が認められた。従ってPGF_<2α>受容体は、生体内において正常な生殖生理機能を持つために極めて厳密に発現の調節が行なわれていることが明らかになった。更にPGF_<2α>受容体ゲノムDNAのクローニングを行ない、ウシ及びヒトのゲノムライブラリーから遺伝子を単離することができた。同遺伝子の塩基配列を決め構造を解析したところ、同受容体は第6膜貫通領域内に巨大な介在配列を有し、更に2つの転写プロモーターとそれらの転写調節領域を持つことが明らかになった。さらにその2つの転写調節に関与するDNA領域をルシフェラーゼレポーターvectorに組み込み、ウシ黄体培養細胞に導入後プロモーター活性を解析したところ、各々別々の調節機構によりコントロールされていることが明かになった。現在ウシPGF_<2α>受容体のアミノ酸配列の一部を変異させたcDNAを作製し、培養細胞中でその生化学的解析を行なっている途中であり、また同受容体に対する抗体の調製もほぼ完了し解析を残すのみとなっている。
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