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1994 年度 実績報告書

ヒト口蓋扁桃における上皮細胞間リンパ球の免疫学的意義:免疫電顕法および酵素抗原法による機能形態学的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 06670205
研究機関東海大学

研究代表者

堤 寛  東海大学, 医学部, 助教授 (80138643)

研究分担者 吉村 真一  東海大学, 医学部, 講師 (30230808)
キーワードヒト口蓋扁桃 / 網状粘膜 / 上皮細胞間リンパ球 / B-1細胞 / インフルエンザ菌 / 酵素抗体法 / 酵素抗源法 / 免疫電顕法
研究概要

われわれがこれまでに得た成果は次のごとくである。重層扁平上皮系に属す網状上皮間に分布するリンパ球系細胞はB細胞が主体であり、T細胞よりなる消化管円柱上皮の上皮細胞間リンパ球ときわめて対照的である。網状上皮基底部には多数の形質細胞が分布しており、免疫染色上、IgG型がIgA型、IgM型、IgD型より優勢である。上皮細胞間B細胞には、marginal zone型(bcl-2^+)、mantle zone型(CD5^+)、胚中心型細胞(CD10^+)に加えて、いわゆるB-1細胞とみなされるCD11b^+細胞が観察される。網状上皮間に散在するT細胞の多くは、CD4,TCRαβ陽性細胞であり、TCRγδ陽性細胞は少数である。CD4陽性helper T cellの優位性は、網状上皮内におけるB細胞分化に好都合であると考えられ、CD8優位の腸管上皮との大きな相違点をなしている。網状上皮は、電顕的に、広い細胞間隙における微絨毛形成、小型顆粒の存在が特徴的である。網状上皮は、免疫染色上、リゾチーム陽性であるが、sIgAによる局所免疫反応に重要な役割をはたすSC(secretory component)は陰性である。網状上皮の不連続な基底膜を貫いて網状上皮間に分布する毛細血管網には、リンパ球再循環の形態所見が観察される。
B-1細胞と思われるCD11b^+細胞は、網状上皮内に限局している。また、その多くは、sIgM^+,CD20^+,CD5^-であり、マウス腹腔のそれとやや趣を異にする可能性がある。
リコンビナント蛋白作製のためのDNA libraryを、純培養Haemophilus influenzaeから、現在作製中である。同一症例の同一材料から、インフルエンザ菌の分離、新鮮扁桃組織の採取を試み、すでに、数例のペア検体が収集された。しかし、今年度のこれまでの検討で、細菌の全DNAを利用したランダムな作製は能率が必ずしもよくないことが判明した。来年度は、DNA塩基配列の明らかとなっている同菌由来の蛋白(protein D,脂肪酸結合蛋白、その他の膜蛋白等)をねらって、PCRによるDNA増幅を介したリコンビナント蛋白の作製を新たに試みたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Tang X,et al.: "Reticular crypt epithelium and intra-epithelial lymphoid cells in the hyperplastic human palatine tonsil." Pathology International. 45(1). 34-44 (1995)

  • [文献書誌] Tsutsumi Y: "Application of the immunoperoxidase method for histopathologic diagnosis of infectious diseases" Acta Histochem Cytochem. 27(6)(in press). (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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