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1994 年度 実績報告書

リンパ濾胞樹状細胞の細胞起源に関する検討-SCIDマウス細胞移入実験を用いて-

研究課題

研究課題/領域番号 06670213
研究機関山形大学

研究代表者

山川 光徳  山形大学, 医学部, 講師 (20183676)

研究分担者 松田 幹夫  山形大学, 医学部, 助教授 (40045761)
今井 大  山形大学, 医学部, 教授 (30045603)
キーワード濾胞樹状細胞 / 細網細胞 / リンパ濾胞 / SCIDマウス / 骨髄キメラ / 免疫複合体 / 免疫細胞化学
研究概要

濾胞樹状細胞(Follicular dendritic cell;FDC)は一次および二次リンパ濾胞の枠組みを形成すると同時に、胚中心Bリンパ球に対する抗原提示細胞として機能する。抗原特異的なBリンパの増殖、細胞選択や分化に必須の細胞でもある。
FDCの細胞起源として線維芽細胞様細網細胞、血管周囲細胞、血液単球、神経細胞、pre-FDCなどが想定されているが、今なお一定した見解はない。この点を明らかにする為に、我々は同種および異種細胞の移入が比較的容易であるSCIDマウスを用いて、リンパ濾胞胚中心の形成を経時的に観察し、FDCの細胞起源について評価した。
即ち、SCIDマウスにCB17マウス、C3HマウスおよびWistarラットの骨髄細胞を移入(骨髄キメラの作製)した後の再建リンパ濾胞胚中心について形態学的および免疫組織化学的に検討した。その結果、CB17マウスの骨髄細胞を移入した例でも、SCIDマウスのリンパ節や脾臓に二次リンパ濾胞が形成され、免疫複合体を捕捉・保持できる機能的なFDCの出現がみられた。さらに、SCIDマウスにCB17マウス、C3Hマウス或いはWistarラットの骨髄細胞のいずれを移入した場合でも、胚中心内FDCが骨髄細胞由来であるとの所見は得られず、むしろ同細胞はSCIDマウス由来であるとの結果が得られた。我々の従来の研究結果を併せて評価すると、SCIDマウスのリンパ組織内に存在する間質細胞(線維芽細胞様細網細胞)がFDCの前駆細胞である可能性が高いと思われた。
当初に計画した本年度の目的は、ほぼ遂行されたものと思われる。さらに、今後はヒトの細胞をSCIDマウスに移入し、再建されたリンパ濾胞胚中心についても検討する。また、immunoliposome systemを用いてさらに具体的に線維芽細胞様細網細胞がFDCの前駆細胞である可能性について検討する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Yamakawa M,et al.: "Protection of thyroid cancer cells by complement-regulatory factors." Cancer. 73. 2808-2817 (1994)

  • [文献書誌] Nakamura S,et al.: "Interdigitating cell sarcoma:A morphologic and immunologic study of lymph node lesions in four cases." Int Pathol. 44. 374-386 (1994)

  • [文献書誌] 山川光徳ら: "濾胞樹状細胞(Follicular dendritic cell)の起源" 臨床免疫. 26. 1307-1314 (1994)

  • [文献書誌] 山川光徳ら: "濾胞樹状細胞(Follicular dendritic cell)の細胞起源-SCIDマウスへの細胞移入実験-" 日本網内系学会誌. 34. 207-214 (1994)

  • [文献書誌] 今井大ら: "樹状細胞の細胞病理" 病態生理. 13. 901-911 (1994)

  • [文献書誌] Yamakawa M,et al.: "Immunohistochemical analysis of dendritic/Langerhans cells in thyroid carcinomas." Anal Pathol. (in press).

  • [文献書誌] 山川光徳ら: "現代病理学大系 第4巻" リンパ節:循環障害, 9 (1994)

  • [文献書誌] 今井大ら: "現代病理学大系 第4巻" リンパ球・樹状細胞(印刷中),

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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