研究概要 |
1.RT-PCR法により、HL60細胞よりMxi1遺伝子のcDNAをクローニングした。 このヒトMxi1遺伝子cDNAをプローブとして、マウスcDNAライブラリーより、マウスMxi1遺伝子cDNAをクローニングし、塩基配列決定を行った(Shimizu et al.,Gene152(1995)283-284)。 また、ヒト白血病細胞株HL60細胞およびMOLT3細胞由来のMxi1-cDNAの塩基配列決定を行ったところ、Zervosらの報告したHela細胞のMxi1に比較して、3'non-coding regionにおいて5塩基の欠失が存在した。Mxi1遺伝子の発現が、HL60細胞およびMOLT3細胞では、Hela細胞に比較して低いこととあわせて、今後さらに検討すべきであると考えられる。 神経芽腫細胞株の分化に伴うMxi1遺伝子の発現の変化は、N-mycが増幅しているRT-BM-1細胞のレチノイン酸(RA)による分化誘導で、減少傾向が認められたが、N-mycが1コピーのNB69N細胞のRAによる分化誘導では、増加傾向が認められ、両細胞株間で異なる変化が観察された。 今後は、Mxi1遺伝子の発現調節の機序を解明するために、他の細胞株での様々な培養条件での発現の変化を検討してゆきたい。
|