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1994 年度 実績報告書

転移性を獲得した細胞の軟寒天中の行動と細胞接着及び細胞骨格の関係

研究課題

研究課題/領域番号 06670218
研究機関金沢大学

研究代表者

野村 孝弘  金沢大学, がん研究所, 助手 (80115261)

研究分担者 神宮司 洋一  群馬県立医療短大, 教授 (00114182)
中村 忍  金沢大学, 医学部, 助教授 (20019946)
キーワードSFME細胞 / ras / mycSFME細胞 / r / mHM-SFME-1細胞 / Balb / cマウス / 腫瘍 / 細胞接着 / アクチン繊維
研究概要

Balb/cマウス胚由来でヒト活性型Ha-ras遺伝子が導入されているras/mycSFME細胞からr/mHM-SFME-1細胞を作出した。両者とも同系マウスで腫瘍を造るが、後者は前者と異なり皮下に接種後肺への遠隔転移を示す。軟寒天中では、前者は境界のはっきりしたコロニーを形成するが、後者のコロニーは散在性の細胞集塊となる。軟寒天中での両細胞の細胞間相互作用の違いと転移性の獲得との関係を、コロニー中の細胞接種の様子は電子顕微鏡的観察により、また細胞骨格に関わるアクチンの存在状態はファロイジン染色により検討した。
1.アクチン繊維の分布を比較すると、ras/mycSFME細胞では細胞の周辺部と、より深部に比較的長いアクチン繊維の束が観られたのに対してr/mHM-SFME-1細胞では、分布は細胞膜直下に限られ、また前者よりも少ないことが示唆された。
2.電子顕微鏡で解析すると、ras/mycSFME細胞では隣接細胞同士は互いに広く接触し、細胞間のadherens junctionも連続的に存在する。アクチン繊維はこのjunction直下と比較的長い細胞質突起の内部に密に存在する。r/mHM-SFME-1細胞では、細胞間隙が広くて接触部は少なく、adherens junctionの形成は散在的で繊維も疎に分布する。
3.また細胞接着とは直接は関係ないが、r/mHM-SFME-1細胞の表面にはアクチン繊維束を含むmicrovilli様の短い突起が多く観られた。
以上より、軟寒天中のそれぞれのコロニーにおける細胞間接着の違いはアクチン繊維の分布様式の違いによると考えられ、関与する結合タンパクについて現在検討中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Jinguji,Y.et al.: "Stress fiber dependent axial organization of fibronectin fibrils in the basal lamina of the chick aorta and mesenteric arlery." Endothelium,. 2,. 35-47, (1994)

  • [文献書誌] Nakamura,S.et al.: "Morphological and biochemical studies on the discrimination between apoptosis and necrosis." Proc.61th Meet.German-Japan.Clinic.Cytology,. 127-133, (1994)

  • [文献書誌] Nomura,T.et al.: "A possible mechanism by which azatyrosine suppressed the ras/mycSFME cell growth." Recent Advances in Chemotherapy,. 902-903, (1994)

  • [文献書誌] Okada,G.et al.: "A Mer phenotype of ethionine-resistant HeLa S3 variants." In Vitro,. (in press). (1995)

  • [文献書誌] Matano,S.et al.: "Detection of micro-metastasis by polymerase chain reaction(PCR)." Animal Cell Technology:Basic & Applied Aspects,. (in press). (1995)

  • [文献書誌] Matano,S.et al.: "Application of the polymerase chain reaction(PCR)to quantify micro-metastasis in an experimental animal." Cancer Letters,. (in press). (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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