研究課題/領域番号 |
06670224
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉山 武敏 京都大学, 医学部, 教授 (20030851)
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研究分担者 |
嶋田 俊秀 京都大学, 医学部, 助手 (30231690)
逢坂 光彦 京都大学, 医学部, 助手 (20252463)
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キーワード | ラット発癌 / BBN / 遺伝子クローニング / 癌抑制遺伝子 / LOH |
研究概要 |
我々はヒト尿路上皮癌を対象として、癌抑制遺伝子の不活化の指標である対立癌遺伝子の欠失を検出することでヒトにおいては染色体9q、11p、17p上の癌抑制遺伝子の不活化が尿路上皮癌の発生進展に非常に重要な位置を占めていることを示してきた。しかし、厳密な意味での尿路上皮癌の初期変化をヒトの腫瘍材料から手に入れることは非常に困難である。本研究では、ラットの実験発癌系を利用し、初期癌あるいは前癌病変の遺伝子変化をRNAレベルで捕え、初期遺伝子変化の未知の遺伝子の単離、同定を行うことを目的とする。Wistar系ラットにBBN(N-butyl-N-(4-hydroxybutly)nitrosamine)を経口投与し膀胱腫瘍を誘発する際に付随して生じた乳頭腫、過形成、上皮内癌からRNAを抽出した。このRNAを用いてdifferential RT-PCR法によって得られた各々の産物を泳動し正常部の産物、病変部の産物の泳動パターンを比較し、それぞれ不一致なバンドを切り出し再度PCR反応を行った後、ベクターに組み込み塩基配列を解析中である。既存の遺伝子バンクの情報と比較すると共に、新たなクローンについてはcDNAライブラリーによりクローンを得て検討する。正常と比較した際のバンドの差が顕著である場合でも安定した結果が反復できるとは限らずバックグラウンドの評価に問題が残り、改善を合せて検討中である。
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