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1994 年度 実績報告書

骨転移におけるα_4β_1インテグリンの関与に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06670239
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

松浦 成昭  和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (70190402)

研究分担者 宇都宮 洋才  和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (60264876)
覚道 健一  和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (00112037)
キーワード骨転移 / インテグリン / VCAM-1
研究概要

1細胞への遺伝子導入:培養細胞の中でChinese Hamster ovary(CHO)cellを用いることにより、効率よく遺伝子導入が行われた。すなわち、インテグリンα_4あるいはβ_1両方のサブユニットの遺伝子導入が順調に行われ、十分な発現のあることがフローサイトメトリー法および免疫沈降法により確認された。また、CHO細胞はインテグリンの中でα5β1しか発現しておらず、解析がしやすい系であることが認められた。
2細胞の生物学的解析:遺伝子導入された細胞のうちインテグリンα_4鎖のトランスフェクタントについて、リガンドであるVCAM-1およびフィブロネクチンCS-1タン白に対する接着実験を行なった。その結果、発現したインテグリンα_4β_1はそれらリガンドに接着し、十分な機能があることを確認した。
3転移実験:インテグリンα_4のトランフフェクタントについてヌードマウスを使用し詳細な解析を行なった。その結果、transfectionしていない母細胞のCHO細胞では肺転移のみしか見られなかったのに大して、transfectantは高率に骨に天使を認めた。その他の臓器としては、リンパ節、副腎に転移を認めることがあり、その評価は検討中である。骨転移は組織学的に骨破壊性に周囲に浸潤しているもののほか、骨髄のみに少数のmicroscopicな転移が見られることから、骨髄から起こると考えられた。また、マウスの中には脊椎に転移し、周囲の神経根を圧迫して、下肢の麻痺を来す例がかなり見られた。
臓器特異的な転移を単一の分子で説明した研究は今まで見られず、初めてのものとして注目される。また、骨転移のモデルはあまり見られず、この系を使って病態の解析、治療への応用が期待される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 松浦成昭、他: "癌の転移におけるインテグリンの意義" 医学のあゆみ. 169. 56-60 (1994)

  • [文献書誌] 松浦成昭、他: "インテグリンと癌の転移" 病理と臨床. 12. 859-866 (1994)

  • [文献書誌] 松浦成昭、他: "癌転移のメカニズム-最近の知見、臓器選択性について" 外科治療. 71. 191-196 (1994)

  • [文献書誌] 松浦成昭、他: "細胞接着分子の生物学 インテグリンと癌転移" Molecular Medicine. 31. 958-963 (1994)

  • [文献書誌] 松浦成昭、他: "癌の転移におけるインテグリンの意義" 実験医学. 12. 925-930 (1994)

  • [文献書誌] 松浦成昭、他: "外科と細胞接着 臓器親和性と細胞接着分子" 侵襲と免疫. 3. 98-101 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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