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1995 年度 実績報告書

ヒト・ホメオドメインタンパクによる新しいカドヘリン遺伝子の発現制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 06670240
研究機関東海大学

研究代表者

谷口 泰史  東海大学, 医学部, 講師 (30207188)

研究分担者 守内 哲也  北海道大学, 医学部, 教授 (20174394)
キーワードホメオボックス遺伝子 / HOXD3 / 発現ベクターpMAMneo / 赤芽球系白血病細胞 / RT-PCR / R-カドヘリン
研究概要

HOXD3遺伝子を過剰発現したHEL細胞では、インテグリンβ3サブユニットのmRNAレベルが上昇した結果、細胞表面のインテグリンαIIbβIIIの発現が増加し、細胞外基質であるフィブロネクチンとの接着性が増大する。またこれとは逆に、細胞と細胞を接着させるR-カドヘリン分子のHEL細胞における発現は、HOXD3のレベルが上がると減少し、下がると増大する。以上の結果より、HOXD3タンパクは、インテグリンβ3遺伝子の調節領域に結合してその転写を促進し、R-カドヘリン遺伝子の調節領域に結合してその転写を抑制する働きがあると考えられる。しかしながら、その作用が直接的に行われるのか或は別のタンパクを介して間接的に行われるのかは、今のところ不明である。このことを明らかにするためには、インテグリンβ3やR-カドヘリン遺伝子のプロモーター領域、エンハンサー領域を同定し、ホメオドメインタンパクの結合サイトがあるか否かを検討する必要がある。生物体の組織の構築は、それらの構成している細胞に本来備わっている形態形成能に依存している。即ち、ある細胞が自分自身と同じタイプの細胞であるかまたはそうでないかを識別する能力が、組織の構築にとって重要である。このような細胞と細胞の接着における選択性が、多細胞生物の体の形を決定している。一方、ホメオボックス遺伝子は、形態シグナルを位置情報に変換する、つまり細胞と細胞或は細胞と細胞外基質の相互作用を通して形態形成を調節するのに重要な役割を果していると報告されている。従って、ホメオボックス遺伝子が細胞接着因子の発現制御に関与する可能性を明らかにした本研究の成果は、「多細胞生物の形がどのようにしてできあがるか」という発生生物学上の基本的なテーマに対する分子レベルでの理解に深い示唆を与えてくれるものと考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yoshimura,S.: "The plasma glutathione peroxidase-encoding gene : organization, sequence and localization to chromosome 5q32." Gene. 1994. 293-297 (145)

  • [文献書誌] Arimori, K.: "Nucleotide sequence of a human genomic DNA fragment containing the PCNA pseudogene and its localization on chromosome 4." Tokai Exp. Clin. Med.19. 1-5 (1994)

  • [文献書誌] Taniguchi, Y.: "Overexpression of the HOX4A (HOXD3) homeobox gene in human erythroleukemia HEL cells results in altered adhesive proerties." Blood. 85. 2786-2794 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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