研究概要 |
実際の感染価と血中C型肝炎ウイルス(HCV)RNA量は必ずしも一致しないとの実験結果をふまえ、同程度に高い量のHCV RNAを有する血清♯4,♯6、及び♯6を10^<-4>,10^<-5>希釈してそれぞれ接種したチンパンジー♯353,♯215の血清より各々20個のクローンを拾い合計80個の遺伝子変異を解析した。実際の感染価は♯4は低く、♯6は高かった。最も変異の強い超可変領域(HVR)での血清♯4と♯6のアミノ酸変異を右表に示す。表は左側より順にクローンの型、アミノ酸配列、クローン20個の内の各型の個数を示す。HVR以外の領域での変異は稀であった。血清♯4と♯6両者のHCVは同じgenotype lbに属するものであったが、HVRでのアミノ酸配列は表に示す如くかなり異なっていた。又、♯6の希釈血清を接種したチンパンジー♯353,♯215より得られたクローンは、核酸レベルでは数個の変異が存在したが、それらはアミノ酸の変異を伴わず、40個全て右表の6a-1型と同じアミノ酸配列であった。この現象は希釈された血清には原液中の最も多いクローンが存在する為だけなのか、あるいはこの配列のHCVには感染性が存在するのか、更成る検索が必要である。
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