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1995 年度 実績報告書

自然発生及び化学発癌剤誘発マウス大腸腫瘍における遺伝子異常

研究課題

研究課題/領域番号 06670248
研究機関(財)東京都臨床医学総合研究所

研究代表者

岡本 美恵子  財団法人東京都臨床医学総合研究所, 実験動物研究部門, 研究員 (80152354)

キーワードマウス大腸腫瘍 / Minマウス / APC遺伝子 / p53遺伝子 / K-、H-、N-ras遺伝子 / ジメチルヒドラジン
研究概要

今年度は、自然発生腫瘍における遺伝子異常に焦点を当てて解析を行った。MinマウスはAPC遺伝子に変異を有するため発癌剤処理なしに消化管に腫瘍を多発することが知られている。このMinマウスと近交系間のF1(F1-Min)に発生した腫瘍85例(大腸20例、小腸61例、盲腸4例)及び親系統のB6-Minに発生した腫瘍36例(大腸20例、小腸15例、盲腸1例)について病理組織像及び遺伝子異常の解析を行い、DMH誘発大腸腫瘍との比較を行った。
1.Minマウスに発生した腫瘍は大半が分化型腺癌及び腺腫であり、組織像においてDMH誘発腫瘍との間に差異は認められなかった。
2.Minマウスにおける腫瘍の90%以上に野生型APC遺伝子の欠失が認められた。発生部位や遺伝的背景による欠失頻度への影響は認められなかった。
3.p53遺伝子エクソン5-8及びK-、H-、N-ras遺伝子エクソン1、2における突然変異をPCR-SSCP法により解析したが、Minマウスにおける腫瘍121例には全く異常は認められなかった。また、p53遺伝子イントロンにおける多型を利用してLOHの有無を検索したが、p53遺伝子には全くLOHは認められなかった。
これらの結果から、Min変異による腫瘍とDMH誘発腫瘍では遺伝的背景が共通であるにも関わらず、関与する遺伝子異常にかなり大きな相違があることが明らかになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Okamoto, M.: "Mutational and LOH analyses of p53 alleles in colon tumors induced by 1,2-dimethylhydrazine in F1 hybrid mice." Carcinogenesis. 16. 2659-2666 (1995)

  • [文献書誌] 岡本美恵子: "大腸腫瘍発生に関与する遺伝子異常 -ヒトとマウスの比較-" 放射線生物研究. 30. 142-156 (1995)

  • [文献書誌] 岡本美恵子: "PCR-DNAシーケンス法 In:臨床DNA診断法" 金原出版 古庄敏行,井村裕夫 監修・編集, 1134 (1994)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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