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1994 年度 実績報告書

広東住血線虫感染マウスのTh1/Th2サイトカイン応答

研究課題

研究課題/領域番号 06670251
研究機関秋田大学

研究代表者

吉村 堅太郎  秋田大学, 医学部, 教授 (90053058)

研究分担者 島田 博子 (菅谷 博子)  秋田大学, 医学部, 助手 (30235626)
石田 和人  秋田大学, 医学部, 助手 (60006731)
阿部 達也  秋田大学, 医学部, 助教授 (80128363)
キーワード広東住血線虫 / マウス / Th1 / Th2 / RT-PCR / IL-5 / IL-4 / IFN-γ
研究概要

広東住血線虫に抵抗性のC57BL/6と感受性のBALB/cマウスに本虫を20隻感染させ、感染後41日まで経時的に髄液や血清を採取するとともに、脾細胞ならびに頸部リンパ節細胞を採取した。これらの細胞はin vitroで幼若成虫(17〜20日令)抗原で刺激し、培養上清を得た。これらの試料中のTh1(IFN-γ,IL-2)ならびにTh2(IL-4,IL-5)サイトカインをELISAにより測定したところ、髄液中のIL-5は感染後12〜14日にピークを有する一過性の強い応答を示し、その後急激に低下した。脾細胞や頸部リンパ節細胞を抗原で刺激した場合は感染後20〜30日にかけてIL-5の産生が著明であった。逆転写ポリミラーゼ連鎖反応(RT-PCR)でIL-5mRNAの発現をみたところ、感染後17日の脾細胞にも、また14日の髄液細胞にも著明なIL-5mRNAの発現が認められた。さらに、14日後の髄液細胞を好酸球とT細胞に分けてIL-5mRANの発現を調べたところ、mRNAは髄液好酸球には認められず、T細胞に認められた。IL-4は髄液中にも検出されたが、そのピークはIL-5のそれより遅く、感染後20日であった。髄液に比べると抗原で刺激されたリンパ球のIL-4産生は弱く、脾細胞では感染後30日以降に産生を認めたが、頸部リンパ節リンパ球は殆ど応答を示さなかった。一方、髄液や脾細胞培養上清のIFN-γ産生は感染後20日にむしろ抑制が認められ、頸部リンパ節リンパ球のみは感染後30日以降にIFN-γの産生を認めた。IL-2は髄液と脾細胞培養上清において感染後30日以降明らかな応答を認めた。なお、血清中には実験期間を通じていずれのサイトカインも検出されなかった。これらのことから、広東住血線虫感染マウスではTh2サイトカイン応答がTh1サイトカイン応答より優勢であり、これら4種のサイトカイン応答に関する限り、2系統マウス間で質的な差異を認めなかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 吉村堅太郎: "広東住血線虫症における好酸球の役割" 寄生虫誌. 43(補). 41-44 (1994)

  • [文献書誌] 吉村堅太郎: "寄生虫感染における好酸球の役割-広東住血線虫症をモデルとして" 医学のあゆみ. 169. 862-863 (1994)

  • [文献書誌] Yoshimura,K.: "The role of eosinophils in Angiostrongylus cantonensis" Parasitol.Today. 10. 231-233 (1994)

  • [文献書誌] Sugaya,H.: "Th1 and Th2 cytokine responses in Angiostrongylus cantonensis infected mice" International Jounal for Parasitology. (発表予定).

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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