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1994 年度 実績報告書

寄生原虫膜に存在する輸送体の分子生物学的同定

研究課題

研究課題/領域番号 06670272
研究機関東海大学

研究代表者

永倉 貢一  東海大学, 医学部, 講師 (80142454)

キーワード寄生原虫 / 腸管寄生原虫 / 原虫性下痢 / ホルモン様物質 / ホルモン輸送体
研究概要

寄生原虫は膜を通じた物質の取込みや代謝産物の排出をおこなうことでその生存が保証されている。これらはそれぞれの物質に特異的な原虫膜を貫通する輸送体蛋白によって担われている。腸管寄生原虫の感染時にみられる「下痢」は原虫内のホルモン様物質が原虫外に放出された結果によって生じるという証拠が提出された。また、原虫感染時にしばしばみられる薬剤耐性は原虫膜のP蛋白によって薬剤が排出されることによって起きる。このP蛋白は本来ステロイドの輸送蛋白であるので、一見無関係な「下痢」と薬剤耐性という2つの現象がP蛋白やその類似蛋白の機能発現によって起きている可能性がでてきた。本研究の目的は、原虫性下痢がホルモン様物質によって生じることの証明と、それに関与する特異的輸送体を分子生物学的に同定することである。そこで(1)原虫内のホルモン物質(とくにセロトニン)の同定、(2)他の輸送体遺伝子配列を参考にして作成されたプライマーをもちいた輸送体の同定、をおこなった。その結果、(1)ほ乳類で機能するセロトニンは原虫には存在しないことが判明し、また(2)他の輸送体遺伝子配列から類推されたホルモン輸送体蛋白の構造が当初予想されたもの以上に異なっているか、あるいはもともと原虫にはこのようなホルモン様物質やそれに対する輸送体が存在しない、可能性を示唆している。現在、原虫のP蛋白遺伝子配列よりホルモン輸送体となりうる配列(膜内コア)を検索中であり、また原虫培養上清や破砕原虫上清からのホルモン様物質の直接同定を行っている。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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