1.トキソプラズマ(Tp)DNAポリメラーゼ(DNApol)δのcDNAのクローニング:TpDNApolδcDNAのクローニングを試みた。これまでにクローニングされた各種生物のDNApolδ遺伝子の解析から、その遺伝子中に保存領域の存在が明らかになっている。そこでまず、保存領域RIIからRIに相当する領域のプライマーを合成し、これを用いてRT-PCRを行い、cDNA断片(458bp)を得た。これをシークエンスした結果、DNApolδ遺伝子の一部であることを確認した。これをプローブとしてlambda gt10を用いて作成したTpcDNAライブラリーをスクリーニングしたところ2つの陽性クローンが得られた。これらのinsertDNAを調製し、pBluescriptSKにサブクローニングした。シークエンスを行うためExoIII、Mung bean nucleaseを用いてdeletion mutantを作成した。 2.TpDNApolδ断片の大腸菌における発現:抗体の作製のため、DNAライブラリーのスクリーニングに用いた458bpのpolδcDNA断片の大腸菌における発現を試みた。発現ベクターとしてはpGEX-2Tを用い、そのSmaIサイトにframeを合わせて連結後、大腸菌に導入し、glutathioneS-transferase(GST)との融合蛋白質として発現させた。
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