1)HHV-6HST株(variant B)の塩基配列のおよそ90%決定した。HHV-6の遺伝子地図を作成した結果、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)のそれと非常によく似ており、前初期タンパク質(IE)の分布も似ていた。その結果、pSTY01に少なくとも2つ、pSTY03には2つ、pSTY13-41に1つ、pSTY29-45に1つ、pSTY50に1つのtransactivatorあるいはIEがコードされている可能性が示唆された。HHV-6のvariantAとBとでは相対的には95%のホモロジーが示された。pSTY03にコードされているIEにおいては両variant間で大きく異なり、約75%のホモロジーであった。pSTY29-45のコードされているHCMV US22family(transactivatorとして機能しているタンパク質)のタンパク質は約64%のホモロジーであった。また、発現調節に関係しているであろうKpn Irepeatや他のrepeat構造も大きく異なっていた。 2)pSTY29-45にコードされているORFはすべてmRNAにコードされていた。pSTY01にコードされている2つのtransactivatorはいずれもモチーフからスプライシングされている可能性が示唆された。しかし、その一方はモチーフと異なったスプライシングが行われていることを明らかにした。 3)HHV-6のpSTY03にコードされているIEの一部とβ-ガラクトシダーゼの融合タンパク質を作成後、その融合タンパク質に対するマウスのモノスペシフィックとモノクローナル抗体を作成し、IEタンパク質の発現時期とその大きさも明らかにした。
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