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1995 年度 研究成果報告書概要

センダイウイルスの出芽領域と出芽極性を規定する分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 06670334
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 ウイルス学
研究機関国立予防衛生研究所

研究代表者

田代 眞人  国立予防衛生研究所, ウイルス第一部, 部長 (90111343)

研究分担者 山田 堅一郎  国立予防衛生研究所, ウイルス第一部, 主任研究官 (30150189)
板村 繁之  国立予防衛生研究所, ウイルス第一部, 主任研究官 (60203080)
井上 直樹  国立予防衛生研究所, ウイルス第一部, 主任研究官 (90183186)
研究期間 (年度) 1994 – 1995
キーワードセンダイウイルス / ウイルス出芽極性 / F1-R株 / 細胞極性 / M遺伝子 / M蛋白 / 細胞骨格系 / 微小管
研究概要

上皮細胞におけるセンダイウイスルの出芽は、ウイルス膜蛋白の輸送極性に一致した領域で起こる。マウスに呼吸器感染を起こす野生株は尖頂面から出芽するが、全身感染を起こす変異株F1-Rは側基底面からも出芽し、出芽極性の違いが臓器特異性を決めている。この出芽極性を規定する分子機構を解析した。
1.MDCK細胞にF1-R株を感染させると、ノコダゾール処理の場合と同様に、微小管が脱重合して細胞極性が破綻し、ウスルスは両極性に出芽した。遺伝子解析から、変異M遺伝子の関与が示唆された。
2.そこで、変異M遺伝子をMDCK細胞に導入して発現させたところ、微小管がチュブリンに脱重合して細胞極性が破綻した。この様な細胞においてウイルス糖蛋白を発現させると、F1-R株のみならず野生株の糖蛋白も両極性に輸送され、またウイルスを感染させるといずれのウイルスも両極性に出芽した。
3.野生株のMを発現させた細胞では細胞極性の変化は認められず、F1-R株と野生株の糖蛋白はどちらも尖頂領域に輸送された。
4.以上の成績は、センダイウイルスの出芽極性は微小管に依存していること。また、F1-R株の変異M蛋白が宿主細胞の微小管の脱重合を促進し、その結果、トランス・ゴルジにおけるウスルス糖蛋白の選別や輸送小胞の極性輸送が乱されて両極性に発現し、両極性にウイルスが出芽すると結論された。

  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] 田代 眞人: "クララ細胞-呼吸器ウイルス感染におけるあらたな役割" 医学のあゆみ. 170. 13-17 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 田代 眞人: "インフルエンザの感染病理機構 ウイルス活性化プロテアーゼからのアプローチ" 細胞工学. 14. 288-296 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 田代 眞人: "センダイウイルスの感染病理機構 宿主プロテアーゼによるウイルス活性化と出芽極性" ウイルス. 45. 76-80 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 田代 眞人: "細菌混合感染によるインフルエンザウイルス病原性の増強" 医学のあゆみ. 173. 236-239 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 藤井 陽一: "HIV Netの細胞障害活性" Molecular Medicine. 33. 93-95 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 藤井 陽一: "HIV Netの生物学" 細胞工学. (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] K. Sakai: "Sendai virus infection changes the subcellular localization Tryptase Clara in rat bronchiolar epithelialce" Eur. Respi. J.7. 886-892 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] M. Tashiro: "Involvement of the mutated M protein in altered budding polarity of a pantropic mutant, F1-R, of Sendai virus" J. Virol.(1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] R. Rott: "Influenza virus, cell enzymes and pathogenicity" Amer. J. Respir. Crit. Care.152. 516-519 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] M. Tashiro: "Molecular basses of the pathogecicity of respiratory viral infections" Seminars in Virology. (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] M. Homma: "Sendai virus ; in Encyclopedia of Virology" Academic Press, London, 1662 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 1997-03-04  

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