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1994 年度 実績報告書

ペプチド抗原+MHC分子を認識するTCRの解析

研究課題

研究課題/領域番号 06670341
研究機関北海道大学

研究代表者

小笠原 一誠  北海道大学, 免疫科学研究所, 助教授 (20169163)

研究分担者 岩渕 和也  北海道大学, 免疫科学研究所, 助手 (20184898)
小野江 和則  北海道大学, 免疫科学研究所, 教授 (40002117)
キーワードTCR / MHC / アグレトープ / エピトープ / 三分子複合体
研究概要

T細胞が抗原を認識し反応するためには、TCR、MHC分子、抗原ペプチド断片よりなる三分子複合体の形成が必要である。従って、この三分子複合体を分子レベルで解析すれば、免疫反応を人為的に調節できるようになると期待される。我々は、これまでにハトチトクロームcの43-58残基よりなるペプチドp43-58上の、MHCクラスII分子と結合する部位(アグレトープ)は46および54番残基であり、TCRと結合する部位(エピトープ)は47から53番残基であることを報告してきた。今回は、この47から53番残基に対応するTCR上の部位の同定を試み、47から53番残基を順次リジン(K)に置換したペプチド群(47K,48K,49K,50K,51K,52K,53E)を作製した。リジンは正の電荷をもつので、対応するTCR上の残基は負の電荷を持つものに変わると考えられる。p43-58の53番残基に関しては、元々53番残基はリジンであるので、反対の電荷をもつグルタミン酸に置換して、53Eを作製した。47K,48K,49K,51K,52K,53EでB10マウスを免疫して、T cell lineを作製し、TCRβ鎖の可変域であるVβに対する抗体を使用して、これらのT cell lineのVβについて検索した。ほとんどすべてのT cell lineは、Vβ8かVβ14を使用していた。53E特異的T cell lineだけが、Vβ8かVβ14以外にも多数の他のVβを使用していた。このことから、53番残基はVβに結合するかVβに影響を与えやすいことが判明した。これまでに、抗原ペプチド上の1残基がTCRβ鎖の可変域と結合するという報告はない。従って、我々の抗原系は、新しい三分子複合体モデルを提供すると考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Itoh,Y.: "Determination of amino acids on agretepes of pigeon cytochrome c-related peptides specifically bound to I-A allelic products." Eur.J.Immunel.24. 76-83 (1994)

  • [文献書誌] Hatakeyama,S.: "The murire c-fgr gene product associated with Ly 6 C and p70 integral membrane protein is expressed in cells of a monocyte 1maerophage lineage." Proc.Natl.Aead.Sci.USA. 91. 3458-3462 (1994)

  • [文献書誌] Naruse,H.: "Analysis of epitopic residues introduced into the hybrid peptide vaecine prepared according to the cassette theory." Vaccine. 12. 776-782 (1994)

  • [文献書誌] Naruse,H.: "A potential peptide vaccine against two different strains of influenza virus isolated at intervals of about ten years." Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 91. 9588-9592 (1994)

  • [文献書誌] 小笠原一誠: "T細胞アネルギーの最前線" 実験医学. 12. 69-72 (1994)

  • [文献書誌] 小笠原一誠: "MHC/ペプチドの医療への応用" 実験医学. 12. 1244-1249 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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