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1996 年度 実績報告書

サイトカイン受容体を介する細胞内シグナル伝達機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 06670351
研究機関神戸大学

研究代表者

南 康博  神戸大学, 医学部, 助教授 (70229772)

キーワードインターロイキン2 / インターロイキン2受容体 / チロシンリン酸化 / チロシンキナーゼ / チロシンフォスファターゼ / BAG-1 / SHP-2
研究概要

本年度の研究においては、機能的IL-2受容体(IL-2R)を発現しているBAF-B03細胞を用いてIL-2刺激に伴うSH2領域を有するチロシンフォスファターゼSHP-1,SHP-2チロシンリン酸化の有無を検討した。その結果、IL-2刺激に伴いSHP-2が選択的にリン酸化を受けることが明らかとなった。また、そのチロシンリン酸化には、IL-2Rβ鎖のserine-rich,acidic両細胞内領域が必須であることが明らかとなった。今後IL-2シグナル伝達過程においてSHP-2チロシンリン酸化の担う機能の解析が待たれる。また、IL-2シグナルの新たな標的遺伝子の検索を野生型及び各種の変異体IL-2Rβ鎖を発現している細胞株を用いて試みたところ、Bcl-2に会合する蛋白質として同定されたBAG-1をコードしている遺伝子が誘導されること、ならびにその誘導にはIL-2Rβ鎖において細胞増殖に必須の細胞内serine-rich領域が重要であることが明らかとなった。さらに、Bcl2を恒常的に発現した細胞株において、増殖因子除去前後の各種G1cyclin蛋白質の量を比較したところ、cyclin D3が選択的に安定であることが明らかとなった。その制御機構を、各種の分子生物学的手法(nuclear run-on assay等)を用いて解析したところ、mRNAの安定性がBcl-2により亢進していることが明らかとなった。Bcl-2に関しては、これまで細胞死を抑制する機能が知られていたが、本年度の研究成果によりBcl-2が細胞周期進展においても重要な役割を担うことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] M.Adachi: "Interleukin-2 (IL-2) upregulates BAG-1 gene expression through serine-rich region within IL-2 receptor βc chain." Blood. 88. 4118-4123 (1996)

  • [文献書誌] Y.Minami: "Role of protein-tyrosine kinases in stress signaling." J.Deut.Sci.5. 11-14 (1996)

  • [文献書誌] M.Adachi: "Interleukin-2 induces tyrosine phosphorylation of SHP-2 through IL-2 receptor β chain." Oncogene. (印刷中). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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